「鬼火」
昭和10年発表、諏訪での療養時代に書かれた作品。横溝の話には湖や沼など「水」が物語の鍵となることが多い(「犬神家」「悪魔の手毬唄」「貸しボート十三号」etc...)。この話も湖水が修羅場の舞台。登場人物の科白が執拗で物語に引き込まれていく。終盤に明かされる真実と、語り手の立ち位置に驚かされる…
「蔵の中」
横溝の中では異色のトリッキーな作品。書かれたのが同じく昭和10年だが、当時の最先端を行っていたのでは?
「面影双紙」
じわじわとおかしくなっていく登場人物の蠢きが一際怖しい…
どの話も乱歩の影響が垣間見える。はたまた乱歩の作風に影響を与えたのが横溝なのか。
