8月の読書 | うさぎと読書と、双極性障害と。

8月の読書

8月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:3771
ナイス数:532

死の点滴  (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)死の点滴 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)感想
連続して起きた患者の不可解な急変死。その背後にある点滴の使い回しと使用期限切れ薬剤の使用疑惑。 美人当直医が奮闘する医療サスペンス。教授選の場面は不要な気がするけど、大学病院を舞台にすると描かずにはいられないのかなあ。 それ以外は面白かった。
読了日:08月30日 著者:霧村 悠康
作家と猫のものがたり (とんぼの本)作家と猫のものがたり (とんぼの本)感想
10人の作家さんとその飼い猫のお話。 どの作家さんからも深い深い愛情が伝わってくる。 写真もかなり載ってるので、もう可愛くてたまらない。 小池真理子さんと村山由佳さんが特によかった。 村山由佳さんの心境や手帳に挟んだ紙のこと、私もやってるので考えることは同じだなあと思った。
読了日:08月26日 著者:
告解者告解者感想
更生とは何か、を問うた作品。 殺人を犯し仮釈放してきた男が更生保護施設にやってきた。市内で起きた殺人事件でこの男に疑いの目が向けられる。 この作品で保護施設の役割や保護官の仕事を初めて知った。 ミステリではあるが、非常に重く考えさせられる内容だった。 恋愛要素は不要だな。
読了日:08月25日 著者:大門 剛明
ひとりの女 (集英社文庫)ひとりの女 (集英社文庫)感想
45歳独身、課長、セノマイコ。 仕事に没頭し、言いたい事もハッキリ言い、曲がった事が大嫌い。 周囲を仰天させる事もするが、たまには落ち込む。 そんなマイコに圧巻! 登場人物すべての描写がうまくて、そんな人いるいるな人ばかり。 白髪のくだりは爆笑しながら読んだし、いたるところでニヤニヤ。 読み終えると、パワーをもらった感じ。 私もお肉ガッツリ食べて頑張ろうかね。 続編が読みたい。
読了日:08月22日 著者:群 ようこ
一億総貧困時代一億総貧困時代感想
「貧困」とひとくちに言ってもその背景は様々。本書では最新の事件も織り交ぜ、貧困に至る様々なケースを解説している。 冒頭の「お父さんの子どもを産みました」という幼き頃から性的虐待を受けてきた女性の言葉に戦慄し、脳が理解を拒む。 介護離職、奨学金地獄、貧困による一家心中… 貧困はみんなのすぐ側にあるんだと改めて思う。
読了日:08月19日 著者:雨宮 処凛
寄る年波には平泳ぎ (単行本)寄る年波には平泳ぎ (単行本)感想
群ようこさんのエッセイは初読みかも。 独特の視点が面白く、頷ける部分もあったりして気軽に読める。 老いに向かって飄々と生きている姿が印象的。 他の作品も読んでみよう。
読了日:08月18日 著者:群 よう子
黒い羽 (光文社文庫)黒い羽 (光文社文庫)感想
幼少期から肩にある黒い皮膚炎に苦しんできた女性が、最後に辿り着いた遺伝子治療。遺伝子治療を受けるべく向かった研究施設で起きたサスペンスホラー。 冒頭から面白くて、スリリングでスピーディな展開に一気読み。 脳内に映像が浮かびオエオエしながらも楽しんだ。 最後はもうひと捻りゾワッとさせて欲しかったなあ。 すごく面白かった。
読了日:08月17日 著者:誉田 哲也
実はすごい町医者の見つけ方~病院ランキングでは分からない (講談社+α文庫)実はすごい町医者の見つけ方~病院ランキングでは分からない (講談社+α文庫)感想
ありふれた病気は大病院より町医者の方が経験豊富でおすすめ。 私も断然 町医者で診て欲しいと思ってるけど、都会は町医者の数も半端なく多く選択肢がある分、選ぶポイントなどが分かればいいなと思い本書を手に取った。 何科に行けばいいのか分からない事もたまにあり、診療科目の見方や、その医師の専門を見極め方など役に立つ内容だった。
読了日:08月15日 著者:永田 宏
最後の命最後の命感想
幼少期にホームレスによる強姦事件を目撃した2人は、その後の人生に対極の影を落とした。 1人はセックスがうまく出来ず、もう1人は自らも強姦したい欲求に抗えずにいた。 非常に重たい内容ながら、引き込まれて一気読み。 最後の友人からの手紙は深く哀しい。 少しだけ救いの見えるラストでよかった。
読了日:08月13日 著者:中村 文則
老後がこわい (講談社現代新書)老後がこわい (講談社現代新書)感想
住宅問題、親の死、病気、葬式…老後に向き合わねばならないだろう事柄について著者の経験も交えつつ述べられている。 10年前の本だけど、内容は全く古さを感じさせず、データは現在の方がより最悪になっているだろう。 年月がたっても老後の不安はみな同じなんだな。 なるようにしかならないから、自分に出来るのは老後が来ない事を祈るのみ。
読了日:08月12日 著者:香山 リカ
罪火 (角川文庫)罪火 (角川文庫)感想
少年時代に同級生を死なせてしまった過去を持つ青年は、大人になって再び殺人を犯した。犯罪加害者と被害者遺族が向き合う修復的司法、加害者の贖罪と被害者遺族の赦し。なかなか読ませる社会派ミステリだった。 特にあっと驚くラストが秀逸。
読了日:08月10日 著者:大門 剛明
パンとスープとネコ日和パンとスープとネコ日和感想
50代独身、母の急死と好きな仕事を外されたのを機に退職して、母の食堂をリニューアルオープンされた女性。 色んな事が日々起きるのだけど、全体的にゆる〜い雰囲気で、こんな暮らしはいいなあと思う。 一転して後半のネコちゃんのくだりはオエオエ泣きながら読んだ。 この本、大好きだ!!
読了日:08月07日 著者:群 ようこ
貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち (講談社現代新書)貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち (講談社現代新書)感想
若者の貧困について。著者の『下流老人』も前に読んだけど、若者も老人も貧困なら、いったい誰が貧困ではないのだろう。確かにこのままでは一億総貧困だな。 マスで見たデータより、個人のエピソードが心に刺さる。 ホームレスの若者が栄養失調で救急車、18歳になれば風俗で働けるのでお金を稼ぎたい女子…にわかに信じがたい人たちがいっぱい。 これが本当に先進国なのか。
読了日:08月05日 著者:藤田 孝典
犯罪小説集犯罪小説集感想
人が犯罪を犯すまでの過程を描いた5人の短編集。 実在する事件が元になってるそうだが、読み終えてどっと疲れた。 犯人のすぐ横で事の成り行きを見ながら何も出来なかったような無力感と、普通の人が堕ちていく哀しさ、やりきれなさでどれも救いがない。 最後も読者の想像に委ねるかのような終わり方。 本当に疲れたわ。
読了日:08月03日 著者:吉田 修一
電通事件 なぜ死ぬまで働かなければならないのか電通事件 なぜ死ぬまで働かなければならないのか感想
過労死事件の受けて緊急出版された本。 内容は報道されていた以上のものはないが、外から見た電通についてはよくまとまっている。 だけど社員の声は聞いていないので、これは欠席裁判だ。 外から見えている電通と、中にいる人が感じている電通はきっと違うはず。
読了日:08月02日 著者:北 健一

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