第2話:あの日から…
学校に着く。
雨のせいか、教室はジメジメとしている。
『もう‼️今日もギリギリなんだから‼️‼️』と怒るのは結。
周りは一緒に住んでいる事を知っているため、俺達の事を【柏木夫婦】と呼ぶ。
結は嫌ではないみたいだが、俺としては面倒な事柄のひとつだ。
始業チャイムが鳴る。
今日もダラダラと授業を受ける。
別に気になる訳では無いが、空いている隣の席を見ると、不意に美優紀は元気なのだろうかと考える。
そういえば、あれから、あの最後の日から、連絡来てなかったなーなんて考えている自分がいた。
ドイツという遠い街、美優紀なら大丈夫だろうとは思うが、色んな街を転々としているから、少しかわいそうに思えるのだ。
少しは俺にも、慈愛の心があるみたいだ。
そんな毎日を過ごしている。
長々しい授業が終わり、下校時間。
教科書やらなんやらをかばんに詰め込んで、帰ろうとすると結が
『陽ちゃん一緒に帰ろー』と誘ってきたので、小さく頷いた。
いつも通りの他愛もない会話をする二人。
家に着く。
郵便受けを見ると、俺宛ての手紙が来ていた。
差出人も見ずに、俺は手紙をポケットにいれて、俺は部屋に、結はキッチンへと向かった。
俺は部屋に入り、手紙をポケットから取り出した。
差出人は、【古川美優紀】だった。