第17話:伝えたい気持ち。

いつの間にか、眠りについていた。

一瞬目をつぶっただけに思えたが、結構寝たのだろう。


ベッドから体を起こすと、ベッドの縁に何かが…



『おい、結‼️なんでそこに寝てんだよ‼️』

そこには、ベッドにもたれかかり寝ている結がいた。

『うーん?あっ、陽ちゃん…おはよー』と寝ぼけ眼の結。

俺は『なんで、ここで寝てんだよって』と再度聞き直した。

結は
『あぁ…あのね、昨日の事…謝ろうと思って来たんだけど、陽ちゃん爆睡してたから、私も寝ちゃった…』
と目を擦りながら答えた。

俺は
『謝る…??』
と聞き返した。

結は
『うん…だって、急にあんな事したから、きっと…陽ちゃん怒ってるだろうな~って…』
と俯き加減で言った。

俺も少し寝ぼけていたので『あんな事…?』とさらに聞き返す。

結は俯いたまま
『…ス』
と周りには聞こえないほど小さな声で言った。

俺も聞き取れなかったので『えっ?何?』と聞くと、
結は俺を見て
『キス…したじゃん…ゴメン』
と謝った。

俺も一気に記憶が蘇り
『あぁ…』
と言った。

少しの沈黙のあとに結が『やっぱり…嫌だった…よね…あんなの…』と言った。

俺は
『ううん、ちょっとビックリしたけど、嫌でもないし、怒ってもいないよ』
と答えた。

すると結は笑顔を見せて
『ホント?ホントのホント‼️‼️』と喜んでいるご様子。

思い出すと、恥ずかしくなってくる。
まさか、結にキスされるなんて…

そんな事を考えていると、結が
『ホントに嫌じゃなかったら…もう一回…しよう…ちゃんと…』
と目をつぶった。

俺は『断る‼️‼️』とだけ言った。

結は目を開き『やっぱり嫌なんじゃん‼️陽ちゃんのバカ‼️‼️‼️』と急にご立腹なご様子。

俺は
『彼女でもないやつに、チューするほど、俺はチャラくない』
と言った。

結は
『はいはい、わかりましたよーだ』
と言って、立ち上がり、ベッドの上に座って
『陽ちゃんがしてくれないから、私からするもん‼️‼️‼️』
と俺の唇にキスをして
『陽ちゃんのバーカ』
と言って部屋から出て言った。

またもや、結にキスをされてしまった。

なんだか、今まで抱いた事のない感情に襲われた気がした。

あいつ…何を考えているんだろうか…
-続-