挑戦者 伊達英二VS王者 リカルド・マルチネス
挑戦者 伊達英二
王者 リカルド・マルチネス
はじめの一歩史上最も感動したカード！
序盤は両者共に、世界最高峰のテクニックの攻防を繰り広げ、王者と五分に渡り合う伊達…
しかしその強さは…徐々に王者本来の、荒々しくも的確に急所を狙い撃ちする、科学と暴力を混同したファイトスタイルを呼び覚ましてしまう…
徐々に窮地に追い詰められる伊達…起死回生を懸けて放った、伝家の宝刀「ハートブレイクショット」も、エルボーブロックされてしまい、伊達の右手は粉砕！更には王者の逆襲を浴び、顎も粉砕してしまう…
いよいよ持って勝つ材料を失った伊達…もはや「戦い続ける意味合い」すら見失っていた…そんな失意の伊達陣営のセコンドに現れたのは、飛ばされた血染めのマウスピースを手にした、妻愛子だった！
愛する妻の後押しに、再び「戦う意味」を取り戻した伊達は、王者が待つリングへとセコンドを後にした…
満身創痍になりながらも立ち向かう挑戦者の姿に、一瞬の戸惑いを見せた王者リカルド・マルチネス…
この好機に「サムライ」が選んだ選択肢は…砕けた筈の伝家の宝刀…
伊達の命を懸けた必殺「ハートブレイクショット」が王者に炸裂！こうして王者の「時間」は止まった……
筈だった。
しかし…「当たる筈」の伊達の左の追撃が、虚しく空を切る…
王者のエルボーブロックにより砕けたその「宝刀」は、すでに本来の威力を失っていた。
呆然と立ち尽くす挑戦者に、王者の「最高位の敬意」を込めた一撃が襲いかかる。
こうして小さな島国にいた、勇敢な「サムライ」は、その長きに渡るボクサー人生を終えた…
しかし伊達はその熾烈な試合の中でいつしか、かつてメキシコに置き忘れていたままの「自分」を取り戻していた。そして…その「意志」はいつまでも死ぬ事なく、若き世代へ託された…
人々はいつまでも忘れないだろう…この国（日本）には「伊達英二」と言う、勇敢なサムライ（ボクサー）がいた事を…
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