地球温暖化とノーベル物理学賞 | 山野井昇の未来紀行

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今年のノーベル物理学賞を受賞する真鍋氏の研究テーマが、マスコミで話題を集めている。


受賞の「気候・大気モデル」は、地球上の物理現象をコンピューターでシミュレーションする研究だ。




地球温暖化の将来予測や対策の効果予測など、政治、経済、また人類の未来を予測するのに欠かせない技術となっている。


研究は古くから行われてきたが、最新の気候・大気モデルは、地表面の状況、大気中の微粒子や化学物質の挙動なども取り入れられるようになった。


もともとノーベル物理学賞は、宇宙物理学や量子力学、固体物理学といった研究分野に授与され、真鍋先生の数値シミュレーション技術などは対象外とみなされていた。


いわば今回の受賞は、ノーベル物理学賞の常識を塗り替える出来事ともいえる。


かって外からは厳しく批判され、否定されてきた時期もあった。その顕著な事例はアメリカ、トランプ前大頭領の温暖化否定発言だ。


私が真鍋氏に共鳴し、感動したのは孤軍奮闘の状況が続いても、粘り強く研究に取り組まれた辛抱強い人間性だ。


しかも今年、90歳の先生は、非常に明るくひょうきんで面白い方だ。


今回のノーベル物理学賞は、本人も全くの予想外の受賞だと感想を述べている。


先生は、学業、研究の意欲はただ「好奇心」だけで明け暮れた。


マスコミの取材中、生活家事は全て奥様に支えられながら過ごしたと、感謝の言葉を述べていた。その誠実な人柄に頭が下がる思いだ。


最近の科学は、従来の物理、化学、医学生理学といった限定した領域に限らなくなった。


今回は地球温暖化をテーマに、物理と海洋、大気、気象の組み合わせの受賞だが、近い将来、物理と医学、大気微粒子と医学、感染症などとの関連性が解明できる日がやって来るにちがいない。


私も氏にあやかり、物理と医学研究者のはしくれとして、「生命への好奇心」の炎を絶やさず、悔いのない人生を送りたいと念願している昨今である。