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 クーシェヴィツキーとストコフスキーとトスカニーニがショスタコーヴィチの交響曲第7番の西側初演を巡って激しい争いをしたことは有名です。ライバル関係にあったこの3人は「自分だけの(自分が独占演奏権を持つ)レパートリー」を増やすことにも執着しました。クーセヴィツキーはラヴェルに編曲を委嘱した「展覧会の絵」が大成功した後、ラフマニノフの「音の絵」の管弦楽編曲をレスピーギに委嘱しています。ストコフスキーは自身で編曲したバッハの演奏で有名になりました。これにトスカニーニが黙っているはずがなく、レスピーギに「パッサカリアとフーガ」の編曲を、ヘンリー・ウッドに「トッカータとフーガ」の編曲を委嘱しています。
 レスピーギは多分ストコフスキーのバッハを聴いた上で編曲したのでしょう。レスピーギ編曲の「パッサカリアとフーガ」はストコフスキー以上に華やかな仕上がりになっています。オーケストラピースと割り切ればこれもありだと思える意外にも(?)違和感のない仕上がりです。トスカニーニはレスピーギ編曲を気に入っていたようです。

 このアルバムで「パッサカリアとフーガ」の後に入っている「3つのコラール」は確か去年ノセダがN響に客演した際に演奏されたと思います。レスピーギ編曲のバッハの再評価が進んでいるのかもしれません。
 クーセヴィツキーが2匹目のドジョウを狙って委嘱した「音の絵」の方は「展覧会の絵」ほどは成功せず、作曲者のラフマニノフ自身も不満だったと伝えられますが、そもそもなぜラフマニノフ自身でオーケストレーションしなかったのか分かりません。交響的舞曲などラフマニノフがピアノ用に作曲した作品を自分でオーケストレーションしている例はあります。ですがレスピーギ編曲版も近年再評価が進んでいるとも言われます。
 何よりレスピーギの華麗な編曲が聞けるこのように新しい録音で聴けるのは嬉しいことです。YouTubeミュージックで聴けますがAmazonミュージックなら24/96のハイレゾで聴けます。 レスピーギ編曲のトスカニーニによる演奏、ストコフスキーによる自身の編曲による演奏も掲載しておきますのでぜひ聞き比べてみて下さい。

 

・YouTubeミュージック

 

・Amazonミュージックをサブスクすれば24/96のハイレゾで聴けます。

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【曲目】
(1) J.S. バッハ(レスピーギ編):前奏曲とフーガ ニ長調(BWV532)P 158(1929)
(2) J.S. バッハ(レスピーギ編):パッサカリア ハ短調(BWV582)P 159(1930)
(3) J.S. バッハ(レスピーギ編):3つのコラール P 167(1930)
i.レント・アッサイ「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」(BWV659)
ii.アンダンテ・コン・モート・エ・スケルツァンド「わが魂は主をあがめ」(BWV648)
iii.アンダンテ「目覚めよと呼びわたる物見の声」(BWV645)
(4)ラフマニノフ(レスピーギ編):5つの絵画的練習曲『音の絵』 P 160(1930)
i.「海とかもめ」(Op.39-2)
ii.「祭り」(Op.33-4)
iii.「葬送行進曲」(Op.39-7)
iv.「赤ずきんと狼」(Op.39-6)
v.「行進曲」(Op.39-9)
【演奏】
ジョン・ネシリング(指揮)
リエージュ王立フィルハーモニー管弦楽団(リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団)

アンヌ・メルシエ(コンサートマスター)
【録音】
セッション録音
2017年9月
フィルハーモニーホール、リエージュ
(ベルギー)

 

 

●トスカニーニ盤(レスピーギ編曲) 速めのテンポで厳しい表現です。唸り声が盛大に入っています。

 

・YouTubeミュージック

 

 

 

 

 

●ストコフスキー盤(ストコフスキー編曲) レスピーギはストコフスキーの演奏を聴いてからアレンジしたと思われる節もあります。弦楽主体で落ち着いた、これも良いアレンジだと思います。

・YouTubeミュージック