坂上さんに紹介してもらった本が、今の自分のやってることにドンピシャすぎて、今すぐにでも実践してやろうとニヤニヤしている仲摩です。

ただ、本を読むスピードが致命的に遅い…。

 

 

どうも。

 

※今回は長文となっております。それと怪我について書いたので、読まれる方によっては多少ハード内容になっているかもしれませんのでご了承ください。

 

 

いつものように何気なくTwitterを見てると、「えっ…、、、。」と、目を奪われてしまうような文章がそこにはありました。

 

 

 

現在、Bリーグの熊本ヴォルターズに所属している寺下太基選手の投稿ですね。

同じチームになったことはありませんが、兄の純平が同じチームでプレーしていたりという縁もあったので、対戦するときなどには、会うと話をさせてもらっていました。

 

 

なぜこの投稿に目を惹かれたかというと、僕もプロに入った1年目の年に同じような経験をしたからです。

 

 

もう10年前くらいの話ですね。

 

 

あれは、島根県のプロバスケットボールチームの島根スサノオマジックに入団した年でした。まだBリーグができる前のBJリーグの時ですね。

 

 

練習中に、他の選手がシュートを打って、リングに弾かれたボールを取りに行こうと、上を見ながらボールを追いかけていて、そのボールをキャッチしようとした時に、同じようにボールを取ろうとした後ろから追いかけてきた選手の指が左目に入りました。

 

その瞬間今までに味わったことのないような痛みが走りました。(叫びながら転げ回っていたのを今でも覚えています)

 

 

しかし、その時は特に変わったことはありませんでした。

 

 

転げ回っている僕のとこに、当時の監督が近寄ってきて、顔にできた傷を見て「外傷ですね。問題ありません。アイモ!」といって手を差し出しました。

 

練習後も、白目の一部に赤い斑点ができているくらいで特に変わった様子はありませんでした。

 

その2日後だったかな。朝起きると、左目の視野の3分の1が真っ暗になっていました。

 

(こんな感じ)

 

その時は、「あれなんか見えんなぁ、まぁ、いっか!」くらいの感覚で、練習の準備をして体育館に向かってトレーナーさんに相談すると、「それはすぐ病院に行った方がいいよー!!」っと、練習もせずに病院に直行しました。

 

病院に行って検査をすると、「すぐ手術せんといけんね!」

ってことで、すぐ手術をすることになりました。(ボクサーでもこんなに裂けることはないらしい)

 

 

まさかこんな大きな事態になるなんて、予想だにしてなかったです。

 

 

担当の先生から「手術をするときに水晶体が邪魔になるかもしれんけー、ギリギリまで頑張ってみるけど、もしダメだったら水晶体取るね」って言われました。

 

「スイショウタイ…???」

 

 

 

上の図の濃い青い部分のことですね。

 

水晶体…近くを見るときは毛様筋が収縮し、チン小帯が弛緩することで厚くなる。遠くを見るときは逆に毛様筋が弛緩し、チン小帯が引っ張られることで薄くなる。このようにして遠近にピントを合わせる。

 

だいぶ省きましたが、要するに遠近を調節するレンズの役割をする部分ですね。

 

 

手術内容が、こんな感じ。

(※使用してる機材がこれと一緒かは分かりませんがこんな感じでした)

 

赤く塗ったとこが避けていたので、上部のギリギリのとこを手術するのに水晶体が邪魔になったみたいです。

 

手術は局部麻酔で、最初に麻酔の目薬を入れて、目を閉じないように大きめのセロハンテープみたいなものを目を覆うように貼られて、それから上の図のような針が3本迫ってきました。

 

「おぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉ」と思わず声が出てしまいました。(ビビりなのがバレるw)

 

 

そこからどんどん左目の光がなくなって、何も見えなくなって、手術のカチカチという音と自分の「ピィッ、ピィッ」というドラマなどでよく聞く脈の音しか聞こえなくなりました。

 

 

局部麻酔だったので、先生と話ながらやっていたのですが、「途中麻酔切れて痛くなったら言ってね!」とか「あ〜こりゃダメじゃね〜」とか言われるので、「先生、それはどういうことですか?!!」と思わず突っ込んでしまいました。w

 

 

そんな感じで手術が進んでいったのですが、「粘ってみたけどやっぱ水晶体取らんと無理じゃわ」ってことで水晶体を取ることになりました。

 

そんなこんなありながらでしたが、手術は無事に終わりました。

 

水晶体を取るってことは、遠近感がなくなること。

 

先生からも「遠近感がなくなったら球技は無理かもねぇ。バスケとか特にリングに焦点合わんくなるよ。」と言われていました。

 

あの頃は、まだプロ1年目で「俺プロとしてまだ何もできてないのに…」と、自暴自棄になりかけました。手術前夜は寝ることもできず、部屋を抜け出し、売店の前のソファーに座って、答えの出ない悩みに頭を抱えていました。

 

そんな時、電話で話をしたのが、高校大学の先輩でもあり公私ともに付き合いのあった浦さん(現ドラゴンフライズ社長)でした。

 

「どこかがダメになった時は、他の部分が補ってくれるけー大丈夫!人間には可能性がある!絶対バスケできるけー心配するな!」

 

絶望感に包まれ、真っ暗闇の中にいた僕に、少し光が見えた瞬間でした。

 

どれくらい話したかは覚えてませんが、とにかくあの時の僕にはどんなに心強い言葉だったか。(変わらず優しくしてくださいw)

 

 

入院は1ヶ月ぐらいだったと思います。

 

手術でくっつけた膜が落ち着くまで眼球にガスを入れて、それが全部抜けるまで3週間くらい。ガスが空気より軽いので、ガスが抜けるまでずっと下向きで生活してました。寝るときもうつ伏せで寝てました。(ただでさえ気が滅入っとるのに、下向きの生活とか余計落ち込むーーーーーー!!!!!)

 

そんな生活したせいか、今でも整体とかに行って施術してもらうとき、うつ伏せで台の穴があいた部分に顔を入れるのに抵抗があります。

 

そんなこんなで退院して、動けるようになって、チームメイトとは別メニューで練習を開始しました。

 

影響があることといえば、左眼の視野が左側3分の1見えないこと、遠近感がないこと、本などを読む時は右目しか使えないこと、今までと見えてる範囲が変わるので身体の中心がずれることでした。

 

左の真横に人がいても分かんないし、横でわちゃわちゃされてても分かりません。

 

チームの練習に合流して、この感覚に慣れるのに半年はかかりましたね。

首を多く振って見えない左側を意識的に見るようにしたり、左手を常に動かして横に人がいないかなど見えない部分を他の部分で補いました。

 

「もう一度左目に同じ衝撃があったら、次はもう失明するよ」と脅しのような発言にゾッとしましたが、先生と対応策を考えゴーグルをつけるようにしようという結論に至りました。

 

(兄弟で同じ口してるw)

 

 

怪我の防止に関しては効果はあったのですが、ゴーグルをかけると、曇って見えなくなったり、汗で濡れて見えなくなったりで大変でした。そうやって見えにくくなってるのに、必死で見ようとするんで疲れも倍増しました。

 

シーズン後半には、シーズン中の疲れとゴーグルでの慣れない状況とが相まって、帯状疱疹が出たり、帯状疱疹を甘くみて放置して、試合後に過呼吸でぶっ倒れて救急車で運ばれるなんてこともありました。(今ではいい思い出ですね)

 

スポーツに怪我はつきものと言いますが、怪我と付き合いながらいろんな経験をさせてもらいました。

 

 

いろいろありましたが、今もこうやって当たり前にバスケットができていることに感謝ですね。

 

 

長々と書いてしまいましたが、寺さんが大事に至っていないことを祈っときます。

 

またコートに戻ってきてくださいね!

 

 

 

 

 

 

それではこの辺で。

今回もお時間をいただきありがとうございまーす。