「もう、ホントにあの上司、ムカつくんだよねぇーーー！！
」
８月のワークショップで
ペアになった彼女は、
ずーっと上司の文句を言っていた。
「相手のことを責めていても
何も始まらないのよねぇ・・・。
せっかく、ワークショップに来てるんだしさぁ・・・
」
内心、
わたしはそう思っていたけれど
とりあえず彼女の話を
「うんうん」とそのまま聞いていた。
先日、
急に彼女のことを思い出したんだ。
そう言えば、
あの子、どうしてるかな？
まだ、あの上司の文句を言っているのかな
って。
一方、わたしは、と言えば・・・
あの頃、ワークショップに出ること自体
母に猛反対されていたため、
何も知らずに反対してくる母のことで怒りがいっぱいだった。
なんでわかってくれないんだろう・・・？
どうすればわかってくれるんだろう・・・？
だいたい、内容も知らないクセに、なんであんなに反対するのよ・・・！！！
「相手は変えられない」
だなんて、頭ではわかってる。
だけど、
わたしは
母に変わって欲しかった。
もっと優しくなってほしいし
わたしのことをわかってほしいし
価値観を押し付けないでほしいと思っていた。
無意味なことだとわかっていても、
わたしの怒りの矛先は、すべて母だった。
そんな風に、相手を責めまくっていた自分を思い出しながら・・・
ふと、気がついたんだ。
上司の文句をずっと言っていた彼女。
母親の文句をずっと言っていたワタシ。
・・・ぷっ！
同じじゃん・・・！！
彼女はどうしてるかなぁ・・・なんて
イッチョマエに心配なんてしちゃったけれど・・・
・・・ぷっ！
その姿は、わたし、そのものじゃん！！（笑）
＊ ＊ ＊
よく、
「人は鏡だ」なんて言うけれど、
多くの流行り言葉が
本来の意味を失って
言葉だけがイタズラに独り歩きしてきたように、
この言葉も恐らく、
意味を勘違いして
言葉だけが独り歩きするんだろうなぁなどと思うことがある。
「人は鏡だ」なんて言うと
きっと、ある人は言うだろう。
「もう！あの人すっごいムカつく！
鏡ってことは、わたしも同じなの！？信じられない！」
そんな風に心を乱すくらいなら、
この言葉は知らないほうがいいのかもしれない。
「すごい自分勝手な人が異動してきた。
わたしもあんな風に自分勝手なのだろうか・・・
わたしのどこがいけないのだろうか・・・
いったい、どういうことだろうか・・・
」
心で捉えないといけないことを
一生懸命、頭で理解しようとして
一つ一つ真剣に考えてしまう人がもし、いたら・・・
そういう人にとっても
こんな言葉は
頭にないほうがいいのかもしれない。
でも、わたしには
ひとつだけ思うことがある。
もしも、
何カ月経っても（！）
どうしても頭から離れないような人や言動があるのなら、
それを鏡にして、自分自身の意外な一面を発見することは、絶対できる。
すっごく気になる人。
すっごくムカつく人。
もう信じられない！と頭にこびり付いて離れないこと。
ここ数カ月、
こういうことが頭をよぎる、そのたびに・・・
『鏡』って、そういうことか・・・と心に響く自分がいる。
nina*
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