yahooのニュースでAERAの遺伝に関する記事がとりあげられていました(リンク)。このトピックス、このブログでも何度かとりあげていますし、記事の内容自体はさして目新しいものではないです。表題はインパクトありますけど。収入も大事ですが、受験生を持つ親としては、数学やIQが気になるところ。IQのスコアに対して、遺伝の寄与する割合が66%、環境の寄与する割合が34%ということなので、数字だけみると、遺伝の影響が2倍とスゴイと思ってしまいます。でも実は、身近にこれと近い例があります。このブログで取りあげた、算、国各科目の算国二科目合計点数への影響度合いです。遺伝の割合を算出したのと同じような計算をすれば、算国合計スコアに対する、算数の割合は70%、国語は30%と算出されます。まさにIQスコアに対する遺伝と環境の割合とほぼ同じ。遺伝を算数、環境を国語と当てはめるとなんとなく実感わくと思います。算数は重要ですが、国語が得意なら十分逆転可能です。算数が苦手だからと言ってあきらめるの早いですし、割合が低めだからと言って、国語に手を抜けるはずもないです。同じことが遺伝と環境にもいえるかと思います。

この記事、他にも言いたいことがあるので、続きの記事も書く予定です。

(ちょっと詳しく注意書き)

以下相当わかりにくいので、ご興味ない方は無視してください。詳しい方が見ていた場合の"いいわけ"です。問題あれば指摘していただけると嬉しいです。

 

遺伝、環境の比率を考える際、両者の間には相関がない(相関係数0)として仮定しています(これは異論がありますが)。一方、算国の点数は相関があります。そこが少し違いますので、上記は厳密な議論ではありません。

もうちょっと言うと、

IQの平均から隔たり

=遺伝の平均からの隔たり+環境の平均からの隔たり

から、どちらの隔たりが効いているかというのが、遺伝、環境の割合です。ここでの隔たりは、標準偏差ではなくその二乗である分散です。

同じように無理やり

算国合計点数の平均から隔たり

=算の平均からの隔たり+国の平均からの隔たり

として、割合を出しています。

サピックスのテストでは算数の標準偏差は30くらい、国語の標準偏差は20ですので、分散はそれぞれ900,400です。両者の割合は、

算数=900/(900+400)≒0.7

国語=400/(900+400)≒0.3

で、本文に述べた結果となります。分散を使うので、二乗されることにより、印象より差が際立つことになります。分散を使うのは、数学的事情であり、実際の感覚より差が強調されることになります。

相関があるとおのおのの項目の分散の和は合計の分散になりません。注意書き冒頭で述べたようにそこが少し違う点です。ちょっと脱線しますが、サピックスの一般のテストでは算国の相関係数0.5ですが、秋に実施される学校別ではこの相関はかなり低く、テストによっては0.2くらいになります。学校によっては国語がオール記述となり、算数とはかなり違った要素が求められるためと考えられます。

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