何かのご縁があったのか、ABCの「キャスト」からオレオレ詐欺の取材を受けて、コメントさせていただきました。
ホームページ上の顔写真と「消費者問題に詳しい」という肩書きがついて恥ずかしいやら何やら。。。
オレオレ詐欺の被害額が増えている(件数は減少傾向の様子)ので、自分が被害が減らせるお手伝いを微力ながらできればとの思いで取材をお受けしました。
ただ、しゃべるのが苦手なので、どうしてもうまく言えなかったので、取材された方、編集された方は大変だったと思います。担当の方、すみません。
取材を通じて伝えたかったのは、騙し文句はあまり変わっていないけど、金銭授受の手口が変わっているということでした。
つまり、オレオレ詐欺の騙しの手口はあまり変わっていなくて、
高齢者をターゲットに
「会社のお金を使い込んだ」
「人を交通事故に遭わせてしまった」
「女性を妊娠させてしまった」
という言葉で高齢者の
「子供がピンチだ、なんとかしてあげなければ」
という気持ちを利用しています。
子供がピンチと思えば、正常な判断をする機会も失いますし。
ただ、お金を受け取りの手口がかつてと違っています。
かつてはATMで振り込むものだったのですが、警察庁の資料によると平成26年の上半期では1割程度だったそうです。
いまは「受け子」というのがいて、たとえば「2時間後に俺の後輩がお金取り行くからそいつに渡して」と言われると、2時間後にお金を受け取る役つまり受け子がやってくるのです。
こういう現金の授受の手口が8割程度だそうです。
受け子や電話をかける「かけ子」とリーダー役の間には何人もからんでいるので、受け子やかけ子を逮捕しても、リーダー役までたどりつかないこともあります。(受け子やかけ子が口を割らないというのももちろんあります)。
これ以外の手口としてはレターパックや宅配便に現金を入れさせ、所定の住所(私製私書箱)へ送らせるものがあり、最近このケースが増えています。郵便局へ行くと「レターパックでは現金は送れません。」と注意書きが貼ってあるのを見かけると思います。
この手口は、被害者と直接現金のやり取りをしないという点や信書の秘密があることがオレオレ詐欺の犯人に都合がいいようです
オレオレ詐欺は被害回復がとても難しいので、詐欺にあわないようにする、というのが重要です。
そのためには、事前にどういう手口があるか情報を収集しておくことが大事だと思います。
・子どもの名前を名乗らせる(これだけで安心しない)。
・子どもに折り返しの電話をかける。
・子どもも親と連絡を密に取る。
・宅配便やレターパックでは現金を送ることができない。
・隠し事はしない、させない
といったことを知り、またすることでだいぶ回避できると思います。
避難訓練ではないですが、事前に情報を入手し、被害にあわないように心の準備をしておく(色々な事態を想定しておく)ことが大切かなと思います。
被害に遭う前、不幸にも被害に遭った後、警察、法律事務所、消費生活センターなどで相談してひとりで抱えないようにしていただきたいと思います。
西塚法律事務所
弁護士西塚直之でした。