◆◆◆くじょう みやび日録 第二期◆◆◆

 

 

GWで終了してしまっている展覧会で恐縮ですが、面白い絵を見ました。

*「ほとけの国の美術」展(府中市美術館:2024/3/9~5/6)

 

引き続き、在原業平がテーマになっております……

 

業平朝臣涅槃図>佐藤英之(個人蔵)

 

 

佐藤英之は江戸時代中期の浮世絵師ということですが、類似作品はほかの画家も描いていたようです。

 

 

涅槃図とは、釈迦入滅の場面を描き、弟子など人々はもちろん、動物たちも集まり嘆き悲しんでいるという画題です。江戸時代の人々にとって、パロディのネタになるほど涅槃図が身近だったということでしょう。

 

それにしてもあの“平安時代のモテ男“業平を釈迦に見立てるとは!

周りには……平安貴族は少なくて、多くは当時の江戸時代の人々、身分や職業もさまざま。嘆き悲しんでいる者の共通点はただひとつ、女性だということでしょう! 僧侶の姿も見えるけど多分尼僧だし、さらには動物たちも……メスなのでしょう(笑)

 

 

とここまで書いていて、かつて古文書を勉強していた時に見た、江戸時代の瓦版を思い出しました! 8代目市川團十郎という、美貌で人気の歌舞伎役者が若くして突然の自殺、悲しむ女性たち……という瓦版。

 

これこれ!

八代目市川團十郎涅槃図の見立絵、死絵(加賀徳)

 

見事に涅槃図ですね~!

 

 

自殺した歌舞伎役者の場合は深刻ですが、

業平の涅槃図は、ひたすらお茶目で楽しく感じました♪