◆◆◆くじょう みやび日録 第二期◆◆◆

 

 

昨年末、世界遺産検定の勉強をしていて思ったこと。

 

「スペインって魅力的!!」

 

 

なにヨーロッパにかぶれてんねん。

みたいな感じですが(笑)、スペインの世界遺産には、多様な文化の融合が見られる都市が多いことが理由です。

 

 

ご存じのように、スペインの大部分はイスラム王朝の支配下に置かれていました。8世紀から始まり、レコンキスタ(国土回復運動)完了は1492年と、その歴史は長きにわたります。

 

ゆえに、多くの都市にイスラム建築が残されているというわけです。

 

スペインの素晴らしさは、彼らにとって憎きはずのイスラム教徒が建てたモスクなどを、破壊し尽くさなかったこと! キリスト教って排他的な傾向があったから、建物だけでも残したのは貴重だなと。

懐の深さに魅力を感じました。

 

 

 *

惣領冬実さんの漫画『チェーザレ』の名場面が浮かびました。

フランス野郎(笑)アンリとの、大学での派手な喧嘩シーン。(3巻)

 

イスラムに侵略された歴史を虚仮にされたチェーザレの台詞。

 「スペインの歴史はイスラム勢力との鬩ぎ合いの歴史でもあった」
 「侵略は決して負の歴史ではなかった」
 「東方の文化を採り入れることで独自の文化を生み出したのだ」
 「屈したのではない 融合したのだ」
 「人種が違おうが信仰が違おうが優れたものは優れているのだ 学んで何が悪い」

……本当にこんな現代的な考え方(まさに現代の価値観に合致!)からか知りませんが、結果スペインには美しい建築が残ったし発展した。

 

イスラム文化の面影を残す代表的なスペインの世界遺産<グラナダのアルハンブラ宮殿、ヘネラリーフェ離宮、アルバイシン地区>より

アルハンブラ宮殿 ライオンの中庭

 

グラナダはイベリア半島最後のイスラム王朝・ナスル朝の首都。

アルハンブラ宮殿は歴代の王が改築を重ねたイスラム建築最高傑作とも称される。