◆◆◆くじょう みやび日録 第二期◆◆◆

 

昨年は練香作りを体験しましたが、今年は「匂い袋」から始めました。

 

 

奈良時代は火を使わない香

 

練香は火を使って薫かなければなりませんが、匂い袋は熱を加えず香るものです。奈良時代に使用されたのはこちらのタイプ。

 

ですので……やはりどちらも体験しないとなりませぬ!

 

 

練香の主体となるのは「沈香」などでしたが、匂い袋では「白檀」が基調となります。熱を加えずとも香るからです。(ちなみに有名な「伽羅」は沈香の最高級品です)

 

 

なんと自分で調合ができた!

 

今回の体験が面白かったのは、自分で調合を決められるところ!

(練香は「梅花」など伝統的な六種の薫物体験でしたので、お店独自の香料の配合がすでに決まっていて、それを混ぜるだけでした)

計10杯の香料をブレンドして2袋を作ります。

 

体験では、伝統的な香原料が目の前に並びます。

白檀、丁子、甘松、大茴香、霍香、龍脳、桂皮、山奈、零陵香……

(茶葉のような形状の香がガラスの小瓶に入っています)

ほかにオプション的に現代の香料も用意されていました(こちらはオイル状でした、精油の暗い色の小瓶みたいな)。

 

とはいえ、基本の型はある程度存在し、上述の通り白檀がベースで40~50%、龍脳や丁子も土台として勧められました。

 

あとは好みの香りをお話ししてアドバイスを聞きながら、10杯を調整しながら混ぜていきます。

 

 

わたしはなるべく古くからある香原料にこだわってブレンド。

例えば大茴香は江戸時代あたりから流行したとか、桂皮は平安時代にはあまりお上品な香りと思われていなかった(←こちらは典拠不明で裏を取っていませんが? もし本当としたら、絶対公任サマにはディスられそう、笑)、などから避けました。

 

くじょう調合

・白檀 4杯

・龍脳 1/2杯

・丁子 2杯

・山奈 1杯

・零陵香 1/2杯

・甘松 1杯

・霍香 1杯

 

 

 

初めて実物を見た「訶梨勒」の実

 

実は、今回の体験の名前は「おまもり香」づくり。

匂い袋の中に、「訶梨勒(かりろく)」の実を一緒に入れます。

 

 

訶梨勒については、室礼の本で知ったのですが、インド原産の植物の実で薬用として重宝されたそうです。そこから魔除けのために袋に入れて吊り下げて飾るようになったとか。

 

こんな実です、可愛い!(右のアーモンドっぽい実。白い袋状のものに調合した香が入っています)

 

器に訶梨勒の実がたくさん入っていて、好きなものを選べました。

(ちなみにこちらの袋はお店で追加購入した特別仕様のもの)

 

 

 

 *

例によってひとり体験でしたから、ほかのブレンドと香り比べができず残念ですが、結構違うものなのかな。楽しい体験でした。

 

これでわたしも奈良貴族!(?)