◆◆◆くじょう みやび日録 第二期◆◆◆

 

第一期から断続的に楽しんでいる「女房気分de書写」。

現在は

『栄花物語』を読み、巻一から順にひとつずつ好きな場面を書写

という形で一人密かに進行中です。

 

本日は、巻二十三をご紹介いたします。



巻二十三「こまくらべの行幸」:頼通新邸での華やかな駒競の後宴

 

万寿元年(1024)9月~12月。
関白左大臣・藤原頼通の新邸「高陽院」にて駒競が行われ、帝・東宮ならびに母后で頼通の実姉・彰子が訪れた。ほか、中宮威子による多宝塔供養、道長の長谷寺参詣、最後は教通室の一周忌の法要があった。

 



前巻の「御匣殿」が、今度は母の一周忌に歌を詠む短い記事が末尾にありました。しかし今回は、巻のメインテーマである高陽院での駒競関連から選びました。


高陽院はとにかく立派で、完成から3年足らずの新しさ。邸の趣深さと華やかな行事に、帝らも大満足の様子。帝と東宮に対面できることも、母・藤原彰子にとり喜ばしく、実弟・頼通との語らいもむつまじい。

 

これらの一連の行事から、後宴で上達部・殿上人らが「岸の菊久しく匂ふ」を題に歌を寄せるに先立ち、慶滋為政が記した序を書写しました。見事な邸の描写、行幸啓のめでたさ、彰子頼通姉弟の仲良く栄える姿が、美文調で述べられています。

 

 

 

ちなみにこの駒競と前後の様子は、「駒競行幸絵巻」として鎌倉時代に絵画化されており、ビジュアルで想像することができます。

▲久保惣本・競馬の前に舟遊びを鑑賞する帝ら

 

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