◆◆◆くじょう みやび日録 第二期◆◆◆

 

だいぶ前の話ですが、昨年は、梅の季節に京都へ行きました。

 

自分の中でちょっとした菅原道真ブームでして……

 

梅、道真、とくれば天満宮、とりわけ全国の天満宮・天神宮の総本社である北野天満宮ははずせません。

 

菅公お住まいの邸宅「紅梅殿」の名を戴く御殿、その前に広がる「船出の庭」。有名な曲水の宴が行われる場所です。普段はわかりませんが、訪れた梅苑公開時は、梅苑入場券がないと入れませんでした。

 

 

 

 

梅苑は規模が大きく立派。入場券は梅茶&お茶菓子付き。

 

 

 

 

 

 

で、ここからが本題!

わたしは道真さまにお願いしたかったんですよ!

諸芸……具体的には、文人の必須教養たる「書画」そして「琴(古琴)」の上達を!!

 

 

というわけで、絵馬を奉納しました。

 

 

 

ところが……これがわたしの勝手な思い込みで、どうやら道真先生、あまり琴はお得意ではない……?

 

「不解弾琴兼飲酒」(琴を弾くことと酒を飲むことを解せず)

  『菅家文草』巻三 196「秋」

『菅家後草』にも似たようなフレーズの詩があります。

また『菅家文草』巻一 38「停習弾琴」には「用手多迷数問師」(手を用いれば迷うこと多ししばしば師に問う)とあり、琴を苦手としていたことが詠まれています(それで読書、作詩に注力する)。

 以上、佐藤信一「『菅家文草』の「琴」」『東アジアの音楽文化 物語と交流と』勉誠出版、2014 より。史料は孫引き

 

もちろん彼一流の韜晦もあるかとは思いますが、考えてみたら、日本で琴を嗜んだ人として道真公は有名ですが、名手とは聞いたことがない?

(さらにいえば、書画も得意とは聞いたことなかった……笑)

 

 

真偽は別として、得意ではないとみずから言っている人に向かって思いっきりお願いしていたという……すみません!(汗)