◆◆◆くじょう みやび日録 第二期◆◆◆

 

角田光代さんの源氏物語・現代語訳を読み終え……

次は日本人ではなく、英国人アーサー・ウェイリー訳の源氏物語を読んでみたい! と思っていました。大塚ひかりさん訳も惹かれたのですが……ひとまずウェイリー版に決定!

 

もちろん英語は読めませんから(笑)日本語訳です。

 

平安時代の古典・源氏物語(紫式部)

英語訳(英国人A・ウェイリー)

現代日本語訳(毬矢まりえ+森山恵)

 

と、なかなかに複雑な工程の本です。

(まあこれもいわゆる「重訳」というやつか)

 

 

 

お手頃価格の平凡社ライブラリー版(全4巻・佐復秀樹訳)も出ていたのですが、そしてその装丁の絵も近藤ようこさんでとても素敵なのですが、わたしはどうしても、このクリムトの表紙が好きで……

 

左右社版(全4巻)の第1巻

 

大きな声では言えませんが、お値段張るので、まずは図書館で読めるところまで。

 

文章は、もともとが英訳からの現代語訳なので、古典風味はなく、角田光代訳よりさらに難易度は低い。

 

ただ、平安時代の日本を、現地の人にわかるよう英訳するのは大変だったと思います……苦労がしのばれるのですが(そしてそれをさらに現代日本語でどう表現しなおすのかも)、それがなんとも可笑しい。

 

例えば、琵琶は「リュート」で琴は「シターン」、光源氏が熱病で療養していた北山は「ノーザンヒルズ」(六本木ヒルズかと思った)……水茎にはルビを振り「ペンはこび」というパターンも。

空蝉が光源氏のもとに残して去るのは「スカーフ」に変わる。

人物も、帝は「エンペラー」ですし、弘徽殿女御「レディ・コキデン」、葵上「プリンセス・アオイ」。

 

なんとなく「ルー語」を思い出して微苦笑です。(ルー語、ご記憶の方、いらっしゃるかな?) それらの語がふんだんに散りばめられた文章が(別の意味で)面白く、楽しくスイスイ読めるものの、全体的にはなんとも微妙な味わい(笑)となっています。

 

 

 

現在1巻を読んでいますが、2巻以降はすぐ読むかわかりません。

もしかしたら途中でお腹いっぱいになってやめるかも……

 

ご興味ある方いらっしゃいましたら、いかがですか。

 

 

 

 

平凡社版のほうは、日本語訳者さんがちがうので、また違う味わいなのかも。目を通していないのでわかりませんが。こちらも絵が魅力的。