◆◆◆くじょう みやび日録 第二期◆◆◆

 

重陽の節句にちなみまして、菊の文付枝をつくりました。

あこがれの文付枝づくり、今年のウィッシュリストの一つ!

 

まあまずは、ささやかな「菊の宴」を愉しみましてから……

 

 

 

 

いろかはるあきの菊をばひととせにふたたびにほふ花とこそみれ

 

菊を詠み込んだ、古今和歌集秋下278番(よみ人しらず)を書いてみました。平安時代はなぜか時を経た菊が変色していくさまを愛する(ちょっと退廃的?)文化がありました。

この歌も、<色が変わる>ことをプラスの意味でとらえています。

 

まぁ、文付枝の題材としては……つまり人様に贈る歌としては、恋文でもなくましてや「色変はる」など、いくら「ふたたびにほふ」であれ、微妙ですよね……(笑)

 

これは年齢を重ねてきた自分への文かもしれません!

 

こんな感じで、いかがでしょう?

(写真に撮るの、むずかしい……)

 

ちょっとぐしゃっとするけど、花に文を近づけてみる。

 

 

今回白い菊を選んでいるのは、平安時代には特に黄色よりも歌にも多く登場して愛されたことから。そういえば躬恒の「おきまどはせる…」も白菊ですね。当時はこんな大きな菊ではなかったとは思いますが。

 

先に菊の色の変化を愛する文化といいましたが、重ね色目には「移菊」というものがありまして、紫(花)と黄(葉)だそうです。褪色を紫と見ているとか(現代的な感覚からすると茶色ですけどね……)

「白菊」は白と萌黄、「九月菊」は白と黄など、さまざまな「菊」の重ね色目が存在します。[長崎巌監修『日本の伝統色』ナツメ社、2008年]

 

せっかくですから重陽の節句らしく「九月菊」の色で。

(文はやや厚めの紙でフェイクですけど)

 

なかなか愉悦の重陽の節句あそびでございました。

 

★ウィッシュリストひとつ達成★