◆◆◆くじょう みやび日録 第二期◆◆◆

 

本朝で「琴」から真っ先に浮かぶのは、個人的には徽子女王

斎宮を経験した後に村上天皇の女御となった経歴から、「斎宮女御」と呼ばれます。

 

父の重明親王も琴の名手でした。

家集の斎宮女御集に「きむをいとをかしうひき給ふに」と記されており、そうのこと=「箏」ではなく、きんのこと=「琴」(七弦琴、いわゆる古琴)と思われます。

 斎宮女御が琴を詠んだ有名な歌は、『拾遺集』にも採られています。

  ことのねに峰の松風かよふらしいづれのより調べそめけむ

太字にした「を」は「峰」「緒」を掛けています。峰の松風と琴の調べ(緒=琴の絃)が融合するさまを詠んでいます。

 

三十六歌仙でもっとも身分の高い女性として人気でもあります。

(写真は 狩野尚信≪三十六歌仙額≫)

 

徽子女王については、何度か記事にしているので、近いうちにリバイバル紹介したいと思います!