久しぶりに刀とか出てくる感じの(笑)歴史小説を読みました!
どっかの書評で見かけた5月の新刊『決戦!新選組』。
<決戦!>は講談社のオムニバス歴史小説で、複数の作家が同じ歴史の題材からテーマ(人物)を選んで競作しているシリーズらしい。『決戦!関ヶ原』とか。
久しぶりの雰囲気に慣れなかったのか、配列が概ね時系列になっているためなのか(新選組は崩壊始まってからが好きだったりする)、作者との相性なのか、個人的には後半に進むほど面白かった。
・葉室麟「鬼火」沖田総司:芹沢鴨暗殺
・門井慶喜「戦いを避ける」近藤勇:池田屋事件
・小松エメル「足りぬ月」藤堂平助:油小路の戦い
・土橋章宏「決死剣」永倉新八:鳥羽・伏見の戦い
・天野純希「死にぞこないの剣」斎藤一:会津戦争
・木下昌輝「慈母のごとく」土方歳三:五稜郭の戦い
しかし歴史小説自体に最近ご無沙汰なので、実はこの中で実際読んだことある作家さんは門井慶喜さんだけ(汗)
一番気に入った話は、やっぱり“箱館の歳さん”に近づいていく過程を描いている最後の「慈母のごとく」。「鬼を封印」し「仏を演じる」――近藤さんの「仏の役まわり」も大変だったんだなんて思い至ったりして。
「おい、島田、勘違いするなよ。俺は、仏を演じているだけだ。決して、本性が変わったわけじゃねぇ」
とツンデレ風味を見せてくるとことか、たまんない( ´艸`)
一番自分と合いそうな作者は、天野純希さんかなと、まぁこの一作だけだけど、この時点では感じた。読んでないけど『信長嫌い』の作者よね。気になってはいたんだ。
「いいか、斎藤。俺たちは、戦うために蝦夷地へ渡るんじゃねえ。無論、新政府軍が攻め寄せてくれば、全力で戦う。だが本当の目的は、生きるためだ」
なんて歳さんの科白は、しびれたわ(///∇//)
しばらくぶりの娯楽歴史読書、楽しみました♡
うーんやっぱり私
“箱館の歳さん”どんだけ偏愛してんだよ!
(結局そこに終始する、単にそれだけのこと)
▲くじょう“蔵出しイラスト”函館の歳さんイメージ
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決戦!新選組
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■伊庭八郎の征西日記本も読了
~ひとことでいえば“ギャップ萌え”
伊庭八郎というと“伊庭の小天狗”“白皙美好”“隻腕の美剣士”など華麗で過酷なイメージですが、彼が池田屋事件の年に残した日記は、「征西日記」という勇ましい名称とは裏腹に非常にのんびりした内容
大学在籍中、「伊庭ちゃんの征西日記……!」とワクワクしながら開いて、そのあまりの平和さに脱力した私です(萌えだわ) まだ部屋住みの伊庭(21歳)が、将軍・家茂の京都上洛に帯同した団体の一人として記しました。
学生時代は原文で読んだし細かいことはわかりませんでした(総合した印象は「伊庭ちゃんしるこ好き」)が、こちらの現代語訳は当時の文化なども紹介する解説付きなので、理解が深まります。
勤務の合間の京都や大坂観光には、現在私たちも目にすることのできる名所や遺物も多く登場。忘れてたけど、大坂滞在中に奈良まで足を延ばしていたんですね~。「猿沢池」や「大仏」や「春日」を見物しています☆