惣領冬実『チェーザレ 破壊の創造者』  (現在10巻)


塩野七生さんの『チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷』にハマって以来、チェーザレ・ボルジアが好きです。この本を知ったのは大学生のころで、当時は塩野さんのルネサンス本やらその他のボルジア関連本とか、読み漁ったなあ。


あと、マキアヴェッリの『君主論』でレポート書いたり(笑)、好き放題してた。(なんと大学とは、自由なところか!←)


しかしただでさえ、外国人の名前覚えるのが苦手な私なので、ほとんど忘れてしまいましたが(あ、顔も覚えるの苦手……国際人にはなれません。外国サッカー選手の顔も判別できず困る)。


というわけで(?)、唯一行った海外は

イタリア!!!クラッカー

当然英語もイタリア語もできませんから、ツアーでしたけどね(;^_^A


チェーザレ・ボルジアの「ボルジア」は、現地では「ボルジャ」(ボにアクセント)と読むんですよ。(ヴァチカン宮殿内の)「ボルジアの間はどこですか?」っていう英語を教わったときに知りましたにひひ 「ボルジャ」の発音のことは、なんとこの『チェーザレ 破壊の創造者』のなかの解説にもちゃんと書いてあって、そんなところにも「おおっ」と思ってしまいました!



さてこの漫画、漫画とはいえ本格派で、ビジュアル面も含めてかなりしっかり調べられているし、絵もきれいなせいもあり、執筆には相当時間がかかっています(単行本でも1巻が出たのが2006年。しかも惣領先生、部屋からほとんど出ずカンヅメらしい)。ベースとなっているのはチェーザレ関連でもっとも信頼のおける伝記の一つである、サチェルドーテ版とのこと。


単行本の巻末資料や読み物などもかなり読み応えがあり、本編の漫画自体もけっこう難解な部分もあったりして、本腰入れて読まないとすぐにわからなくなります。



チェーザレ
▲『チェーザレ』3巻と『チェーザレ・ボルジアを知っていますか?』


上の写真は10巻のうち、とくに私が美しいと思う帯の巻です(チェーザレに寄り添う女の子は、もちろん妹のルクレツィア!)。10冊すべて、シンプルな本体に美麗カラー帯が巻かれているスタイルになっています。

『チェーザレ・ボルジアを知っていますか?』はモーニング編集部が出したムックというか、漫画の副読本のような存在になっています。


真剣に読んでいると、かならず「ええーと、この人、誰だっけ?」「スフォルツァ家の血縁関係ってどうだっけ?」とか、ぶち当たってきますので、副読本あると便利です!



 *  *  *

まあ、それにしても、実は私が好きなのは、ミゲルですラブラブ

ええもう、チェーザレより断然好きですね!

この漫画に出会うまではドン・ミケロット(愛称?ドンミケ)でしたが、もうすっかり「ミゲル」が定着。上野のミケランジェロ展で買ったミゲルカップ、いまも会社で愛用しています~☆


ミゲル(ドン・ミケロット)は、チェーザレの腹心なんです。決して離れることのない。そう、こういうのに弱いんですよね……(主従関係萌え。しかも圧倒的に「従」が好きなのだ)。


この漫画ではまだ青少年時代の彼らしか描かれませんが(10巻終わった段階で、まだ1492年でチェーザレ16-7歳ですよ~)、チェーザレとミゲルの関係はすでに素敵です。二人は主従とはいえ、一緒に育ったフランクな間柄……一見、の・ようですが……


「だからと言って チェーザレは友人ではないぞ

言っておくが 俺が友人のように振る舞うのはそれは

奴がそう望んでいるからだ」


[3巻・主人公のアンジェロへ、ミゲルの台詞]


そして、二人はアンジェロだけにおのおの相手のことをこう語っています。


「自分にできない事はないと そう信じている――

あの揺るぎない態度を見るたび

無性に殴り倒してやりたくなる」


「それがまたムカツく

あいつの理路整然とした様を目にするたび

なんだか殴りたくなるときがある」


[5巻・上がミゲル、下がチェーザレの相手評]


あわわ、超萌えるんですけど~なにこれ~!! (((゜д゜;))) と、読み返して悶絶しそうになりました……