ひさしぶりの<マリア様がみてる>新刊『フェアウェル ブーケ』。
ようやく読みました。本編以外の生徒たちの短編を、祐巳たちの掌編でつなぐ、最近おなじみの形式です。


これで短編のストックもなくなったっそうで、<マリみて>もフェイドアウトするのか、復活はあるのか? 祐巳たちの卒業まで続けてほしい気もしますがね。由乃ちゃんがあのまま(笑)じゃあんまりだもの、菜々のお姉さまとなった彼女の成長も見たいものです。


さてさて、今回の短編集には、笑える話がひとつありまして。
「昨日の敵」という、日本史嫌いの少女を主人公にしたお話です。
ここに、いかにして“日本史を克服するか?”という命題があります。


*以下、ネタばれまくり*↓↓↓


クラスメイトたちと相談(というか雑談)した結果、
 「じゃさ、歴史上の人物をアイドルに仕立て上げちゃえばいいじゃない」 [111頁]
ということになる。
そうすれば「持ち前の追っかけ精神」で、彼の業績とかその時代背景について、詳しくなれるというわけです。さらに、アイドルをひとりに限定してしまうと時代も限られてしまうから、各時代ごとにマイアイドルを設定しよう、と考えます。


ん……まあ、このあたり、私の発想と同じです。別に私は企んで好きになったわけではなく、ある意味逆コースなわけですけども。


しかし、ちょっとスゴイのは、彼女はマイアイドルを好きになるために、


  アイドル雑誌を買って、これぞという若手俳優の写真を切り抜いてノートに貼り付け、その下に「聖徳太子(574~622)」と書いた [116頁]


のです! いや~教科書に上貼りじゃなくてよかったけど(;^_^A
そうしないと、いつまでも聖徳太子は「下ぶくれのおっさん」なんです(笑)


さらにそのあと、驚愕の展開に。
サッカー選手顔・ヤス君(徳川家康)と仲良くしている主人公に、ヒップホップ風・タッカー(足利尊氏)が難癖をつけ……さらにヨリピー(源頼朝)と厩戸くん(聖徳太子)が……


 『そうだ、今この場で四人のうち一人を選べ』 [119頁] 


えええ~。
なんと、なんと図々しいビックリマーク


私はいろんな人(歴史上)好きだけど、絶対彼らは喧嘩なんかしません。
だって、誰も私のことなんか超スルーだもん(笑)つか彼らのあずかり知らんことだし。
私が一方的に想っているだけで(しかも多方面を)、みな、それぞれの日々に邁進されていますからな~。(またその無視されっぷりがたまらないのよね! 自分に気づいちゃうような閑な「偉人」はお断り)


そうかー、彼女は「恋愛」しなきゃダメってことかあ~。まあ、ある種「純粋」ともいえるかも。


結局、彼女はマイアイドルを日本史の教師に鞍替えする、というオチなんですけどね。
しかも、「このままじゃちょっと無理」 な彼の顔に、


  昨日の朝刊に載っていたハリウッドスターの顔を、上から貼り付けてみる。 [123頁]