珠 剱
稱 號
夜 巨
光 闕
楷行草のうちの草書です。
特に右列の字は、楷書とはほぼ遠い形になっちゃってますね~。
というか、もともとの字が、現在ではなじみの薄い形のまったく違う旧字体や異体字だからというのもあるでしょう。常用漢字にあてはめてみると、「剣号巨欠 珠称夜光」とでもなりましょうか。
左側の「稱」の草書は、「称」に近い形になっています。
なかでも不思議な字形を持つ字は、「巨」ではないかと思います。これは覚えておいたほうが早そうです。
最後の「光」という字、意外に難しい。草書ということもあり、ついつい筆をぶん回しすぎ、左右にぶれすぎてしまいます。なるべく(字形を)立てるように、と先生にご指導いただいたので意識してみましたが、下部に比べて上部がやっぱり広がってしまっているような……
平安初期の三筆のひとり、嵯峨天皇の「光定戒牒」の「光」の字が印象的で私は好きです。
日本の書をまとめた本などには図版があると思います。
「『光』字の最終画、最終筆のゆれながら上方にはねられる姿は、龍や蛇の尾を、『丘』字の第一画の起筆部は鳥の頭(鵠頭)を象った雑書体の書法」※と解説書にはありました。
※石川九楊・加藤堆繫『書家101』2004年、新書館、122頁
<意味>
「剱號巨闕、珠稱夜光」…けんはきょけつとごうし、たまはやこうとしょうす
昔、趙王が持っていた剣の中では、巨闕を第一の宝とした。昔、楚王が持っていた珠は、夜白昼のように光ったので夜光と称した。