やはり、墨の含ませ方は課題です。

かなの細い筆の場合、1/3くらいおろして、墨を十分に含ませて硯で研ぐようにしてから書く……というわけですが、つい、びびってちょこっとしかおろせていなかったりする(→すぐに墨切れする)。

なかなか、感覚をつかむのは難しいです。



くじょう みやび日録-90みせばやな

ミせはやなをし

 ま の (あま)      た

万農海士のそて堂

に も ぬ れ に      れ

耳毛怒麗尓そぬ連

         は

し色ハか者ら


90 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず

                                       殷富門院大輔


訳:私の袖の色をあなたにお見せしたいものですよ。雄島の漁師の袖でさえも、波でぐっしょりと濡れた袖の、その色は変わっていません。


メモ:作者は殷富門院に仕えた女房だが、本名は不明。袖の色が変わる、というのは血の涙を流すことと、歌の世界では相場が決まっている。『大和物語』でも遍昭が妻子とのつらい別れに血の涙を流していた