かな文字は「粘り」が大事なのだそうです。

筆の墨がなくなってきたな……と思ってからは、ゆっくりと運筆。

我慢が大事です。

なんかサラサラって書かないといけない気がしていたんですが、違うんですね。


99番 後鳥羽院の歌です。



くじょう みやび日録-人もをし

          とも

人もをし ひ度毛

   めし

うら免志

   ち な     をお  ふ

あ遅き那く よ越於も婦

    に      も

ゆゑ耳 ものお毛ふ身


99 人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は

                                       後鳥羽院


訳:人がいとおしくも思われる。人がうらめしくも思われる。心にまかせないにがにがしいものとこの世を思うがために、あれこれと思いわずらう私は。


メモ:後鳥羽院(後鳥羽天皇 1180-1239)は、院政中の1221年(承久3)に鎌倉幕府の北条義時追討の院宣を下したが失敗、隠岐に流される。「人もをし」は、幕府との確執がしだいに激しくなってきたころの歌。また、歌人としてもすぐれ、新古今和歌集を勅撰した。