再訪+α 月島~門前仲町散歩 9月16日(土) | 東京散歩道

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「東京お散歩教室」主宰、小島信康が綴る身近な街の素敵発見探訪記。

お散歩ナビゲーター小島信康です。

 

今回は9月16日(土)に開催した東京お散歩教室「再訪+α  月島~門前仲町散歩」の様子を簡単にご紹介します。

 

出発は月島駅から。

 

まずは、佃天台子育地蔵尊へ。

 

 

佃天台子育地蔵尊は、中央区佃1丁目の路地の中に安置された地蔵尊。

長寿延命・家内安全・諸願成就、そして子育てにもご利益があるといわれ、信仰を集めています。

平らな自然石に刻まれた地蔵尊は、左手に如意宝珠、右手に錫杖を持ち、また石には、地蔵比丘といわれた妙運和尚の刻銘があります。

江戸中期の正徳~元文年間に、地蔵菩薩を厚く信仰した上野寛永寺·崇徳院宮法親王が、自ら地蔵尊像を描き、江戸府内の寺院に地蔵尊造立を促したという言い伝えと、地蔵比丘といわれた妙運和尚が、この宮が描いた地蔵尊を写して、全国の信者に八萬四千体石地蔵尊の建立を発願したという話があります。

ここに刻まれている地蔵尊は、妙運和尚の刻銘から、その拝写された地蔵の姿そのものではないかといわれています。

 

佃天台子育地蔵尊の次は、波除稲荷神社・於咲稲荷神社へ。

 

 

波除稲荷神社・於咲稲荷神社は、中央区佃1丁目に鎮座する、倉稲魂命を御祭神として祀る稲荷神社。

鳥居を共有して、波除稲荷神社と於咲稲荷神社が鎮座しており、境内には、「さし石」と呼ばれる若い漁師たちの力競べの習慣を今日に伝える3個の力石(区民有形民俗文化財)が置かれています。

 

波除稲荷神社・於咲稲荷神社の次は、旧飯田家住宅へ。

 

 

途中、佃堀からの眺めをチェック。

 

 

旧飯田家住宅は、中央区佃1丁目にある木造建築物。

旧飯田家住宅は、「佃喜八」「たじま」という屋号を持つ日本橋魚市場の魚問屋の併用住宅として1920年頃に建築。

生け簀と井戸を配した広い土間の他、漁師町らしい高密度居住の中での暮らし方の工夫が随所に見られ、住宅の建つ敷地も江戸時代初期に佃島の町割・屋敷地割が定められた当初の形状を保っています。

そして、令和4年(2022)2月に空き家となり、取り壊しを危惧する地元有志と佃島にゆかりのある学識経験者が「佃島旧飯田家住宅活用委員会」を結成し、住宅の保存・活用に向けて動き出しました。

委員会には芝浦工業大学の学生も、実測調査や活用方法を検討する会議に参加するほか、クラウドファンディングの企画やデザイン、改修工事作業を行っています。

 

旧飯田家住宅の次は、佃まちかど展示館へ。

 

 

佃まちかど展示館は、中央区佃1丁目にある、江戸開府以来400年の歴史や伝統を誇る地域の歴史・文化資料、伝統工芸品、伝統行事などで使用する用具等を一般に展示・公開している「中央区まちかど展示館」の一つ。

開設は、平成24年(2012)8月1日で、千貫神輿や獅子頭(龍虎・黒駒・他)のほか、240年前の明和年間の複製古地図や、佃例祭の写真、佃の街並み写真などが、収蔵、展示されています。

 

佃まちかど展示館の次は、佃島渡船場跡へ。

 

 

佃島渡船場跡は、中央区佃1丁目にある石碑。

かつての佃島と対岸の佃大橋西詰付近との間に正保2年(1645)に通ったのが佃の渡しです。

明治9年(1876)には、渡し銭1人5厘の掲示札の下付を願い出て許可され、大正15年(1926)には東京市の運営に移り、昭和2年(1927)3月に無賃の曳船渡船となりました。

「佃島渡船」の石碑は、手こぎ渡船を廃止した記念として、この時期に建てられたもので、佃島渡船は昭和31年(1956)には、1日平均60往復、利用者は16,000人まで膨れ上がりましたが、昭和39年(1964)8月の佃大橋完成によって、300年以上の歴史を持つ佃島渡船は廃止されました。

 

佃島渡船場跡の次は、住吉神社へ。

 

 

途中、佃屋酒店で、駄菓子屋やアイスなどを購入。

 

 

住吉神社は、中央区佃1丁目に鎮座する、住吉三神と称される主祭神(底筒之男命・中筒之男命・表筒之男命)と相殿神として、息長足姫命(神功皇后)と東照御親命(徳川家康)を祀る神社。

由緒は、天正18年(1590)、徳川家康が江戸に移った際、摂津国佃村の漁民30余名と田蓑神社の神職·平岡権大夫好次が江戸に移住し、幕府より鉄砲洲の向かいにある干潟を拝領して島を築き、正保2年(1645)、島は故郷の名にちなんで佃島と名付けられ、正保3年(1646)、鎮守として田蓑神社の分霊と東照大権現を奉斎したのが佃島の住吉神社の起源。

海上安全、渡航安全の守護神として信仰を集め、後に埋め立てにより、月島、勝どき、豊海、晴海といった街ができると、これら地域の産土神(氏神)にもなりました。

 

住吉神社の次は、佃公園へ。

 

 

途中、再び佃堀の景観をチェック。

 

 

佃公園は、中央区佃1丁目にある区立公園。

石川島公園と連続していて、その境目に中央大橋があります。

園内には、モニュメント「みどりの風」、タイル壁画、石川島燈台の復元や佃堀があります。

 

佃公園の次は、石川島公園へ。

 

 

石川島公園は、中央区佃2丁目にある隅田川・晴海運河沿い、中央大橋から相生橋までの区立公園。

上段と下段の2段式になっていて、下段には親水テラスがあります。

また下段は、満潮時や大雨の後、一部が浸水します。

石川島公園は大川端リバーシティ21に住む人たちの庭のような公園で、日仏友好の証として北端部に造られた「パリ広場」は見晴らしが良く、隅田川花火大会の穴場鑑賞スポットにもなっています。

 

今回の記念写真は石川島公園で。

皆さん、撮影ご協力有難うございました。

 

石川島公園の次は、明治丸海事ミュージアムへ。

 

 

明治丸海事ミュージアムは、江東区越中島2丁目の東京海洋大学越中島キャンパス内にある、国の重要文化財「明治丸」と百周年記念資料館、明治丸記念館及び現存する日本最古の2つの天文台等から構成されている施設。

「海洋立国日本」の歴史と文化を学べる場になっています。

 

私たちは到着後、まず明治丸から見学。

 

 

明治丸は、明治政府が英国グラスゴー(スコットランド)のネピア造船所に燈台巡廻業務用に発注し、明治7年(1874)に竣工した鉄船(現在の船はすべて鋼船)で、明治8年(1875)横浜に回航。

船内に特別室やサロンを備えた豪華な仕様の新鋭船で、単に燈台業務ばかりでなく、ロイヤルシップの役目も兼ね、明治天皇をはじめ多くの高官が乗船。

なかでも明治8年(1875)、小笠原諸島の領有権問題が生じた際に、日本政府の調査団を乗せ、英国船より早く小笠原に到達。

このことによって、小笠原諸島はわが国の領土となりました。

また明治9年(1876)、明治天皇が東北・北海道巡幸の際、青森から乗船され、函館を経由し、7月20日に横浜に無事到着。

この日を記念して昭和16年(1941)に「海の記念日」が制定され、平成8年(1996)に国民の祝日「海の日」となりました。

およそ20年間、燈台巡廻船として活躍した明治丸は、明治29年(1896)に商船学校に譲渡。

それからは係留練習船として昭和20年(1945)までの約50年間に、5,000余人の若者を育てました。

そして、昭和53年(1978)には、日本に現存する唯一の鉄船であり、鉄船時代の造船技術を今に伝える貴重な遺産として、国の重要文化財に指定。

船としての重要文化財指定は明治丸が初めてです。

 

明治丸の次は、百周年記念資料館へ。

 

 

百周年記念資料館は、昭和53年(1978)開館。

この資料館は東京海洋大学の前身の一つである東京商船大学が明治8年(1875)11月1日に、隅田川の永代橋下流に係留した成妙丸を校船と定めて開学してから、昭和50年(1975)で100周年となったことを記念し、その中心事業として建設。

1階は機関学、2階は航海学を中心に、100年の歴史を軸とした商船教育史と、その周辺の海事史を物語る資料を展示しています。

 

百周年記念資料館の次は、明治丸記念館へ。

明治丸記念館は、平成28年(2016)に竣工。

館内には展示室とセミナー室をそなえ、明治丸の多種多様な活動を発信。

展示品の代表的なものとしては、明治丸の建造指示書、重要文化財指定書などのほか、明治丸内部で使用されていた銀製の食器類など。

またセミナー室には視聴覚設備を完備し、海事情報啓蒙活動、小中学生対象の体験教室などの場として多目的に使用されています。

(館内撮影禁止)

 

明治丸記念館の次は、第一・第二観測台へ。

 

 

第一・第二観測台は、明治36年(1903)に建設された貴重な明治期の天文台建築であり、第一観測台は現存する日本最古のドーム屋根形状の天体観測室です(観象台、天文台、観測所、また第一観測台は赤道儀室、第二観測台は経緯儀室、子午儀室とも呼ばれました)。

 

明治丸海事ミュージアムの次は、中の島公園へ。

 

 

途中、公園近くから南側に見える豊洲の街並みをチェック。

 

 

中の島公園は、江東区越中島1丁目、晴海運河上にある隅田川唯一の水上公園。

感潮池があり、満潮になると運河の水が入り込み、潮の満ち干を見ることができます。

また釣りスポット、夜景観賞スポットとしても知られています。

 

中の島公園の次は、越中島公園へ。

 

 

越中島公園は、江東区越中島1丁目にある、北は大島川水門、南は清澄通りまで伸びる、南北に細長い区立公園。

親水テラスがあり、水に触れることができます。

また東京の夜景観賞スポットとして知られており、雑誌やインターネット等で数多く紹介。

清澄通り沿い近くには、東京水辺ラインの越中島発着場があります。

私たちは公園の北端まで行って、対岸に聳え立つ大川端リバーシティ21のタワーマンション群を眺めました。

 

 

越中島公園から先は、大横川沿いに設けられた散策路を歩き、黒船橋に出て左折し、門前仲町駅に到着してお散歩は終了。

 

 

その後、有志のメンバーさんと「目利きの銀次 門前仲町駅前店」で懇親会を開いて、解散となりました。

 

ご参加くださいました皆様、暑い中、誠に有難うございました。

 

それでは、またの機会にどうぞよろしくお願いいたします。

 

東京お散歩教室

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