浅草・向島周辺ぐるっと散歩 10月22日(土) | 東京散歩道

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「東京お散歩教室」主宰、小島信康が綴る身近な街の素敵発見探訪記。

お散歩ナビゲーター小島信康です。

 

今回は只今開催中の東京お散歩教室「第173回 浅草・向島周辺ぐるっと散歩」の初日の様子を簡単にご紹介します。

 

出発は都営地下鉄浅草線浅草駅から。

 

まずは、世界のカバン博物館と新川柳作記念館へ。

 

 

世界のカバン博物館は、台東区駒形1丁目、エースカスタマーセンター東日本の7階に所在する企業ミュージアム。

世界五大陸、50ヵ国以上から収集された希少価値の高いコレクション約550点を有しており、これらを通じて、大昔からの歴史や、人々の暮らしとの深い関わりを知ってもらうことを目的に「世界のカバン館」として昭和50年(1975)に開設。

そして、エースの創業70周年にあたる平成22年(2010)に「世界のカバン博物館」として大幅にリニューアルされました。

館内は「カバンの歴史」「カバンのひみつ」「世界のカバンコレクション」「わたしのカバン」(著名人から寄贈されたバックを展示)「企画展示エリア」といったコーナーがあります。

 

博物館見学後は建物8階にある、新川柳作記念館へ。

 

 

新川柳作記念館は、エース(株)の創業75周年記念事業の一環として、創業者·新川柳作(1915~2008)の生誕100年目にあたる平成27年(2015)7月31日にオープンした記念館。

カバン一筋に生きた創業者の生涯と、その事業、そして歴代のヒット商品を展示し、エース(株)の歴史、カバン業界の発展の軌跡を紹介しています。

 

 

また、8階ビューラウンジには、著名人の方々のスーツケースなどが、ずらりと並んでいます。

 

 

世界のカバン博物館は、入場無料にもかかわらず、エコバッグのプレゼント付き。

とてもサービスがいいです。

 

世界のカバン博物館の次は、駒形堂へ。

 

 

駒形堂は、台東区雷門2丁目にある浅草寺の伽藍の一つ。

浅草寺の本尊である聖観世音菩薩が隅田川より示現し(※)、初めて奉安された地に建つお堂で、本尊は馬頭観世音菩薩です。

天慶5年(942)に、平公雅によって浅草寺の堂塔伽藍が建立された際、駒形堂も建立。

現在のお堂は、平成15年(2003)に再建されたもので、別名「こまんどう」とも呼ばれ、毎月19日に開扉。

また境内には、当地が霊地であることから、付近の魚類・鳥類の殺生を禁じた「浅草観音戒殺碑」が立っています。

 

※「浅草寺縁起」によると、推古天皇36年(628)3月18日の早朝、檜前浜成・竹成の兄弟が江戸浦(現在の隅田川)で漁撈中、1躰の仏像を思いがけなく手に入れ、郷司・土師中知がこれを拝して、聖観世音菩薩の尊像と知り、自ら出家。屋敷を寺に改めて深く帰依したと伝えられ、これが浅草寺の始まりといわれています。

 

駒形堂の次は、隅田川テラスへ。

 

 

隅田川テラスは、隅田川両岸に沿って整備された親水テラスの総称で、駒形橋の西詰から下りて、言問橋を通り過ぎたところまで、水辺の景観を見ながらぶらぶら。

 

隅田川テラスの次は、待乳山聖天へ。

 

 

待乳山聖天は、台東区浅草7丁目にある聖観音宗の寺院で、正称は「本龍院」。

浅草寺の子院の一つです。

本尊は十一面観音菩薩を本地仏とする大聖歓喜天(聖天さま)。

また浅草名所七福神の毘沙門天も祀られています。

創建は縁起によれば、推古天皇3年(595)9月20日、一夜にして出現した霊山で、そのとき金龍が舞い降り、この山を守護。

その後、推古天皇9年(601)年の夏、この地が旱魃に見舞われたとき、十一面観音の化身である大聖歓喜天が姿を現し、人々を救ったため、「聖天さま」として祀られたといいます。

それ以来、民衆から篤く敬われ、天安元年(857)に慈覚大師円仁(第3代天台座主)が東国巡拝したときには、当山で21日の間「浴油修行」を行ない、国家安泰、庶民の生活安定を祈願し、自ら十一面観世音菩薩像を彫って奉安したと伝えられています。

また待乳山は、江戸時代は東都一の眺望と称され、多くの浮世絵や詩歌などの題材となったところで、境内には、昭和36年(1961)に再建された本堂が建ち、まわりには、歓喜地蔵尊や稲荷尊、庭園、戸田茂睡歌碑、石造出世観音立像、トーキー渡来の碑、浪曲双輪塔、銅造宝篋印塔などがあります。

さらに境内各所に施された大根・巾着の意匠は、当寺のご利益を示すもので、大根は健康で一家和合、巾着は商売繁盛を表すといい、毎年1月7日に催される「大根まつり」は、多くの信者で賑います。

 

参拝後、待乳山聖天の小丘を下りる際は、頂上と駐車場を結ぶモノレール「さくらレール」を利用させていただきました。

 

 

さくらレールの乗車体験をした後は、境内の片隅にある庭園へ。

 

 

こちらの庭園、境内の賑わいとは裏腹に穴場であることから、ゆっくり散策することができました。

 

待乳山聖天の次は、山谷堀公園へ。

 

 

山谷堀公園は、台東区にある幅約9m、長さ740mの区立公園。

公園は、もともと山谷堀という王子の音無川から隅田川に注ぐ水路で、江戸時代には山谷船とも呼ばれた「猪牙舟」でこの水路を通って吉原遊郭へ行くことが、贅沢な遊びとして流行したと伝えられています。

ところが、経済成長に伴う水質汚濁と悪臭が問題となり、東京都により昭和51年(1976)頃から暗渠化。

区がその上部を公園として整備し、昭和52年(1977)以降に山谷堀公園として開園しました。

そして、平成29年(2017)から令和2年(2020)、老朽化により全面改修工事を実施。

園内に台東区有形民俗文化財の今戸焼の原型を元に復元した「河童」や「踊り雀」などのオブジェが複数設置されました。

また公園の両側にある護岸や橋の親柱がかつて水路であった面影を残しています。

 

山谷堀公園の次は、今戸神社へ。

 

 

今戸神社は、台東区今戸1丁目に鎮座する、應神天皇・伊弉諾尊・伊弉冉尊・福禄寿(浅草名所七福神)を御祭神として祀る、盛んに縁結びと招き猫発祥の地と沖田総司終焉の地をPRしている神社。

由緒は、康平6年(1063)、源頼義・義家父子が、勅令によって奥州の安倍貞任・宗任の討伐の折、篤く祈願し、鎌倉の鶴ヶ岡と浅草今之津(現在の今戸)とに京都の石清水八幡を勧請したのが今戸八幡宮(現在の今戸神社)の起源。

その後、永保元年(1081)、謀反を起こした清原武衡・家衡討伐のため、源義家が浅草今之津を通過するにあたり戦勝を祈願。

その甲斐あって戦をおさめることができ、義家は神徳に報いて社殿を修復。

その後、戦乱兵火に遭うごとに再建されること、しばしばでしたが、江戸時代には、三代将軍·徳川家光が、今戸八幡宮再建のために官材を贈り、舟越伊豫守と八木但馬守に命じて、寛永13年(1636)に再建。

しかし、大正12年(1923)9月の関東大震災によって社殿はまたも灰燼に帰し、間もなく復興したものの、昭和20年(1945)3月の東京大空襲でも被災の憂き目に遭いました。

こうした、被災、再建の歴史を繰り返しながら、昭和46年(1971)11月、現在の社殿を造営。

その間、昭和12年(1937)7月に今戸の隣地に鎮座していた白山神社を合祀。

社名が今戸神社に改称されました。

 

 

境内はいたるところに招き猫が…。

 

 

そして、出会えたら幸運といわれている本物の猫「ナミちゃん」にも会うことができました。

 

今戸神社の次は、桜橋へ。

 

 

途中、お腹を空かせたメンバーさんが「mash iro」でマフィンを購入。

 

 

桜橋は、隅田川に架かる長さ約170mの橋。

台東区と墨田区の姉妹提携事業として昭和55年(1980)に着工、昭和60年(1985)に竣工した歩行者専用橋で、両岸の隅田公園を結ぶ園路の役割を持っています。

形状は平面のX字形の特異な形をしており、お花見シーズンには、多くの人がこの橋を渡ります。

また橋上には、架橋10周年記念事業で制作された『瑞鶴の図一 双鶴飛立の図』『瑞鶴の図二 双鶴飛天の図』(原画:平山郁夫、彫刻:細井良雄)というオブジェが中央で向かい合うように設置されています。

 

 

初日は桜橋の橋上で東京スカイツリーをバックに記念写真。

皆さん、撮影ご協力有難うございました。

 

桜橋の次は、弘福寺へ。

 

 

弘福寺は、墨田区向島5丁目にある、牛頭山と号し、釈迦如来坐像を本尊とする黄檗宗(禅宗の一つ)の寺院。

また隅田川七福神の布袋像も祀っています。

歴史は、延宝元年(1673)、黄檗宗の僧·鐡牛道機の開山、小田原藩主·稲葉正則の開基により、葛飾郡須田村香盛島という辺鄙な村にあった香積山弘福寺を現在地に移して建立。

江戸時代は鳥取藩池田家や津和野藩亀井家ゆかりの菩提寺で、関東大震災で罹災しましたが、昭和8年(1933)に再建されました。

また境内の祠には、石造の爺像と婆像からなる「咳の爺婆尊」が祀られており、風邪やインフルエンザ、コロナ予防を祈願する参拝者が訪れます。

これは制作した江戸時代の禅僧·風外の名が「風邪の外」に通じるとして、風邪除けのご利益があると信じられたからです。

 

弘福寺の次は、「長命寺 桜もち」へ。

 

 

長命寺 桜もちは、創業者の山本新六が享保2年(1717)に、桜の葉を塩漬けしたもので餅を包んだ「関東風の桜もち」を考案。

長命寺の門前で販売したところ、江戸のヒット商品となり、今日まで親しまれています。

 

 

お土産用とその場で食べるを買って、その場で食べる用は、隅田川テラスのベンチで食べました。

 

桜もちを食べた後は、三囲神社へ。

ただ、ここで残念なことに17時になってしまい(下見のときは時間内にすべて回りきれたので、大丈夫だと思っていたのですが…)、閉門となってしまったため、門の外から参拝することに。

 

 

三囲神社は、墨田区向島2丁目に鎮座する、宇迦御魂之命を御祭神として祀る神社で、隅田川七福神の恵比寿神と大國神も別殿にて奉斎。

創建年代は不詳ですが、弘法大師が祀ったという田中稲荷がはじまりとされており、名前の由来は、文和年間(1352~1356)に近江三井寺の僧·源慶が社殿を改築した折、白狐に跨った老翁の像が出土。

このとき白狐が現れ、像のまわりを三度まわって消えたという縁起から「三囲」と名付けられました。

その後、元禄6年(1693)の旱魃のとき、俳人·宝井其角が「遊ふた地(夕立)や 田を見めぐりの 神ならば」の句を奉納したところ、たちまち雨が降り、評判となりました。

また、豪商三井家は、三囲神社が日本橋から北東(鬼門)の方角にあって「鬼門除け」になることや、「囲」の字が「井」を囲んでいることから、三井を守る守護社として崇拝。

神社は現在も三井家と三井グループ各社から信仰され、日本橋三越本店や各支店には分霊が祀られています。

境内に置かれている青銅製のライオン像は、閉店した三越池袋店にあったもので、平成21年(2009)に寄贈されました。

 

三囲神社の次は、牛嶋神社へ。

こちらも既に閉門していたので、撫牛のみ体験。

 

 

牛嶋神社は、墨田区向島1丁目に鎮座する、須佐之男命・天之穂日命・貞辰親王命を御祭神として祀る神社で、本所の総鎮守。

創建は、貞観年間(859~877)に慈覚大師円仁が御神託により、須佐之男命を祀ったのがはじまりと伝えられ、古くは「牛御前社」と称し、明治以降、「牛嶋神社」と改め、郷社に列格。

当時は、少し北の弘福時の西隣(向島5丁目)に鎮座していましたが、大正12年(1923)の関東大震災で社殿等を焼失し、その後、隅田公園の開設にあたり、昭和7年(1932)に現在地に遷座。

現社殿はその時に完成したものです。

境内には、全国でも数少ない三輪鳥居が立ち、文政8年(1825)年頃に奉納されたといわれる撫牛が祀られています。

また、5年に一度の大祭では、鳳輦(牛車)を中心とする古式豊かな行列が、氏子五十町安泰祈願巡行を行ない、大勢の見物人で賑わいます。

 

牛嶋神社の次は、隅田公園へ。

 

 

隅田公園は、隅田川沿いに位置し、墨田区向島と台東区浅草、台東区花川戸にまたがっている公園。

墨田区側は、水戸徳川家3代藩主·徳川綱條が、元禄6年(1693)に将軍家から賜った下屋敷があったところで、屋敷は「小梅御殿」と呼ばれていました。

小梅御殿は、西は隅田川、南は北十間川に面し、現在の向島1丁目の大半を占める2万坪余りを有し、小石川本邸の別邸として、従者の蔵奉行、水主(船を操る人)、鷹匠の住まいとして使われ、船蔵や材木も置かれていました。

明治に入ると、水戸徳川家の本邸「小梅邸」(※)になりますが、大正12年(1923)の関東大震災で屋敷は焼失。

昭和6年(1931)、帝都復興事業計画により、防火避難公園として開園しました。


※当主は徳川昭武。

明治8年(1875)4月4日、明治天皇が行幸。

これは徳川関係屋敷への最初の行幸で、明治政府と徳川の和解の場でした。

行幸啓は以後5回に及び、明治29年(1896)には洋館が造られました。

 

隅田公園の次は、「むうや」へ。

 

 

むうやは、東京ミズマチにある人気のパン店。

こちらで、朝食用のパンなどを購入。

 

むうやでお土産を買った後は、すみだリバーウォークへ。

 

 

すみだリバーウォークは、令和2年(2020)6月18日に開通した、東武鉄道の隅田川橋梁の横に新設された歩道橋。

開門時間は7:00~22:00で、足元に東京スカイツリーの公式キャラクター「ソラカラちゃん」が隠れています。

さらに床の一部がガラスになっていて、足元に流れる隅田川を見下ろすことができます。

 

 

みんなで夜景を眺めながら、すみだリバーウォークを渡りました。

 

すみだリバーウォークを渡り切った後は、再び隅田川テラスへ。

 

 

隅田川テラスでも夜景を観賞し、17時45分頃に浅草駅に着いてお散歩終了。

 

その後、有志のメンバーさんと軽く打ち上げ懇親会を開いて、解散となりました。

 

ご参加くださいました皆様、誠に有難うございました。

 

それでは、次回もどうぞよろしくお願いいたします。

 

東京お散歩教室

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