お散歩ナビゲーター小島信康です。
今回は只今開催中の『年末企画 「小江戸」川越散歩』の初日の様子を簡単にご紹介します。
出発は本川越駅から。
まずは、川越八幡宮へ。
川越八幡宮は、長元3年（1030）に、武将•源頼信によって創祀されたと伝えられる、応神天皇を祀る神社。
当宮は「勝負の神様」として、受験生やスポーツ選手の崇敬を集めています。
また、境内には平成•明仁天皇ご生誕（昭和8年12月23日）を記念して植樹されたご神木「縁結びイチョウ」や、足腰健康にご利益がある、倉稲魂神を祀る「民部稲荷神社（相撲稲荷）」が境内社として鎮座。
他にも聖徳太子の姿をした「ぐち聞きさま」などが安置されています。
川越八幡宮では、メンバーさんが厄割桃に挑戦。
桃玉を厄割石めがけて投げ、粉々になった桃玉を見て、スッキリと厄を落とされたご様子でした。
川越八幡宮の次は、中院へ。
中院は、天長7年（830）、慈覚大師円仁によって創立された天台宗の寺院。
星野山無量寿寺の中にあった三院（北院・中院・南院）の一つで、当初の中院は現在の仙波東照宮の地にありましたが、寛永10年（1633）、東照宮建築の際に現在地に移設。
中院は島崎藤村の義母、加藤みきの墓があることでも知られており、また、狭山茶発祥の地でもあります。
中院の次は、南院遺跡へ。
南院遺跡は、川越の天台宗星野山無量寿寺の中にあった喜多院・中院・南院の3院のうち、現在も残る喜多院、中院と違い、こちらの南院は明治2年（1869）の神仏分離令により廃仏毀釈運動が起こり廃院となりました。
現在は、住宅街の一角に数十基の石の塔婆や、お地蔵様が寂しく残るのみとなっています。
南院遺跡の次は、仙波東照宮へ。
仙波東照宮は、元和2年（1616）、駿府で徳川家康が没し、その遺骸を久能山から日光へ移葬する途中、天海僧正によって喜多院で4日間の法要が営まれました。
そこから、この地に家康を御祭神として祀るため、寛永10年（1633）に建立されたのが始まりです。
社殿は寛永15年（1638）の大火後、徳川家光の命で寛永17年（1640）に再建。
国指定重要文化財に選定されています。
仙波東照宮では、年末の大掃除が行われていたため、早々に退散。
続いて、喜多院へ。
喜多院は、天台宗の寺院で山号は星野山。
平安時代初期の天長7年（830）、淳和天皇の命で慈覚大師円仁が寺を建立、当初は無量寿寺と号しました。
阿弥陀如来を本尊とし、良源（元三大師）を祀り、川越大師の別名でも知られています。
無量寿寺には北院、中院、南院の3院が存在していましたが、中院のあった場所に仙波東照宮が建てられた為、中院はさらに200m南方に移動し、南院は明治初めの廃仏毀釈運動により、廃院となっています。
慶長4年（1599）に27世を継いだ天海僧正が徳川家康の厚い信頼を得、そこから大いに栄え、寺号も天海僧正の入寺の際に「喜多院」と改められています。
また寛永15年（1638）の火災後の再建時には、江戸城紅葉山の別殿を移築して客殿や書院等にあてました。
「徳川家光誕生の間」や「春日局化粧の間」があるのはそのためです。
そのほか、小江戸川越七福神めぐり第三番でもあり、大黒天が祀られています。
喜多院では、まず国の重要文化財に指定されている慈眼堂や鐘楼門、山門などをチェック。
その後、川越大師名物の厄除けだんごをみんなで食べました。
喜多院の次は、成田山川越別院本行院へ。
成田山川越別院本行院は、成田山新勝寺の別院で真言宗智山派の寺院で、本尊は不動明王。
地元では「川越のお不動様」として親しまれています。
由緒は、両目を失明した石川照温が成田山新勝寺での修行で、これを完治。
出家して、諸国巡歴の末、ここ川越の地に本行院を再興し、嘉永6年（1853）、成田山新勝寺の別院となりました。
また小江戸川越七福神めぐり第四番でもあり、恵比寿天が祀られています。
成田山川越別院本行院の次は、川越熊野神社へ。
まずは、メンバーさんが参道にある、かなり痛そうな足踏み健康ロードにチャレンジ。
川越熊野神社は、天正18年（1590）、蓮馨寺二世•然誉文応僧正が紀州熊野より勧請したことに始まるといわれる神社で、もとは蓮馨寺の一部でしたが、明治2年（1869）の神仏分離により寺の管理を離れ独立した神社に。
御祭神は熊野大神・伊弉諾尊・事解之男命・速玉之男命の四柱で、境内には、もと蓮馨寺に縁のあった加祐稲荷神社、厳島神社、宝池、秋葉神社、大鷲神社のほか、むすびの庭などもあって、いつも賑わっています。
熊野神社では、加祐稲荷神社に属する「運試し輪投げ」に挑戦。
残念ながら、成功者は誰も出ませんでした。
熊野神社の次は、大正浪漫夢通りへ。
大正浪漫夢通りは、かつては「銀座商店街」と呼ばれたアーケードのある商店街で、平成7年（1995）にアーケードが外され、御影石の石畳を敷き、電線を地中化。
大正ロマンの香り漂うレトロモダンな街並み「大正浪漫夢通り」に生まれ変わりました。
大正浪漫夢通りでは、途中「川越タルト」を試食。
川越タルトを食べた後は、旧山崎家別邸へ。
旧山崎家別邸は、川越の老舗菓子店「亀屋」の5代目•山崎嘉七の隠居所として、大正14年（1925）に完成した建物で、設計は丸の内赤煉瓦オフィス街の設計を行った建築家•保岡勝也が担当。
敷地内には木造モルタル仕上げ洋瓦葺きの洋館と数奇屋造りの和室を備えた和館で構成された和洋折衷の母屋をはじめ、庭園や茶室もあり、建物は平成12年（2000）4月に市指定文化財となった後、令和元年9月30日に母屋が国の重要文化財（建造物）に指定。
庭園は国登録記念物（名勝地）に指定されています。
初日はこちらで記念写真。
皆さん、撮影ご協力有難うございました。
旧山崎家別邸の次は、一番街 蔵造りの町並みへ。
川越の蔵造りの町並みの出現は、明治26年（1893）の川越大火がきっかけとなっています。
この火災では、町の全戸数の3分の1以上が焼失。
そんな大火の中で焼け残ったのが、蔵造りの建物でした。
このことにより、耐火性に優れていた土蔵が見直され、次々に蔵造りの店舗が建てられ、明治末期には蔵造りの町並みが完成しました。
川越の蔵は倉庫としての蔵ではなく、「店蔵」として使われているところが大きな特徴です。
蔵造りの町並みの次は、時の鐘へ。
時の鐘は、寛永年間（1624～1644）に川越城主•酒井忠勝が、城下に建てたものが最初といわれています。
現在の鐘楼は、明治26年（1893）の川越大火の翌年に再建されたもの。
3層構造の塔で、高さ約16ｍ。
寛永の創建から「時」を告げてきた川越のシンボルで、 現在は1日に4回（午前6時・正午・午後3時・午後6時）、自動鐘撞機を使って蔵造りの町並みに鐘の音を響かせています。
また平成8年（1996）6月には、環境庁（現在の環境省）主催の残したい「日本の音風景100選」に選ばれました。
時の鐘を見た後は、「菓匠右門 時の鐘店」で川越銘菓•いも恋や「かのん」で鐘つきたこせんを買って、三度目のおやつタイム。
おやつタイムの後は、菓子屋横丁へ。
途中、寛政4年（1792）に近江国出身で呉服太物の近江屋を営んでいた豪商•西村半右衛門が建てた蔵造りの店舗建築「大沢家住宅」（小松屋）をチェック。
こちらは、明治26年（1893）に起きた川越大火で例外的に焼失を免れ、そこから川越商人が蔵造りの町家を次々に建設する契機となった建物。
昭和46年（1971）に国の重要文化財の指定を受けています。
さらに進んで、今度は川越市を中心に活動している発泡スチロールを使った立体アートアーティスト•ヤジマキミオさんの作品を鑑賞。
明治の初めから菓子を製造していた菓子屋横丁は、大正時代、関東大震災で被害を受けた東京に代わって駄菓子を製造供給するようになり、昭和初期には70軒ほどの業者が軒を連ねていたそうです。
現在は20軒程度の菓子屋などが集まり、横丁が醸し出す雰囲気と下町風の菓子の懐かしい香りが漂うスポットとして、環境省が実施した「かおり風景100選」に選ばれています。
菓子屋横丁でお土産を買って、折り返し、本川越駅方面へ。
途中、再びヤジマキミオさんの作品をチェック。
そして、門前横丁にある、豆にこだわった珈琲屋さん「小江戸coffee mame蔵」で熱いコーヒーを買って、ほっと一息。
夕暮れ時の蔵造りの町並みに再び出て、続いて、蓮馨寺へ。
蓮馨寺は、天文15年（1546）の河越夜戦（北条氏康軍と上杉憲政・上杉朝定・足利晴氏の3者連合軍との戦い、北条軍が勝利）の後、川越城の城主となった大道寺政繁が、母の連馨尼を追福するために、感誉上人を招いて天文18年（1549）に開山した浄土宗の寺院で、本尊は阿弥陀如来。
また小江戸川越七福神めぐり第五番でもあり、福禄寿神が祀られています。
蓮馨寺の次は、小江戸蔵里へ。
小江戸蔵里は、明治8年（1875）に創業した旧鏡山酒造の建物を、当時の面影を残しつつ改修して、平成22年（2010）10月に誕生した商業施設。
施設は明治・大正・昭和の時代に建てられた酒蔵を改装した、おみやげ処（明治蔵）、まかない処（大正蔵）、ききざけ処（昭和蔵）の3つの蔵で構成されており、これらの蔵は国の登録有形文化財に指定されています。
小江戸蔵里でお土産を買って、本川越駅に戻り、お散歩終了。
その後、有志のメンバーさんと懇親会を開いて、いろんな話題で盛り上がり、解散となりました。
ご参加くださいました皆様、誠に有難うございました。
それでは、次回もどうぞよろしくお願いいたします。
東京お散歩教室