方南町周辺ぐるっと散歩 1月31日(日) | 東京散歩道

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「東京お散歩教室」主宰、小島信康が綴る身近な街の素敵発見探訪記。

お散歩ナビゲーター小島信康です。

 

今回は只今開催中の「第153回 方南町周辺ぐるっと散歩」の初日の様子を簡単にご紹介します。

 

出発は方南町駅から。

 

まずは、「石窯パン ふじみ 方南町店」へ。

 

 

「石窯パン ふじみ 方南町店」は、杉並区堀ノ内1丁目にある、素材や製法にこだわったパン店。

こちらで、おやつで食べる用とお土産用のパンを購入。

 

続いて、堀ノ内熊野神社へ。

 

 

堀ノ内熊野神社は、杉並区堀ノ内2丁目に鎮座する、大屋津姫命・五十猛命・抓津姫命の三柱を祀る旧堀之内村の鎮守。

由緒は社伝によれば、文永4年(1267)に紀州の熊野三社を勧請したことに始まり、室町時代に北条氏綱が上杉頼興を破り、江戸を攻略した際に社殿を修築して祝祭を行い、その後、寛永11年(1634)にさらに修繕が加えられたといわれ、別当は村内の妙法寺が明治維新まで務めていました。

社殿は総欅造りで「安政四年二月吉日氏子当村住人井上龍三」と銘が刻まれ、桧造りの幣殿は大正12年(1923)の造営で、このとき旧幣殿を現在の神楽殿に改修。

昭和29年(1954)、稲荷社・第六天王社の合殿社を改新築。

昭和35年(1960)には、社務所の新築、社殿の整備、昭和46年(1971)には、奥殿土台石の修復、神楽庫の新築等が行われました。

また、当社にある文化5年(1808)奉納の石鳥居は、区内最古といわれ、他にも関東大震災の当日、浅草で買い求め、猛火の中を無事帰着して納められた「火伏の神輿」が、例祭のときに町内を渡御します。

 

堀ノ内熊野神社の次は、済美公園へ。

 

 

済美公園は、杉並区堀ノ内1丁目にある、昭和43年10月に開園した面積約6,520㎡の区立公園。

善福寺川の護岸整備に伴い、公園も整備し、河川の親水護岸と一体的な公園として平成25年度にリニューアルオープン。

公園の中心となる水遊び場では、夏季には花崗岩で敷き詰められた円形広場の周りから水が噴き出し、また、背伸ばしベンチなどの健康遊具や滑り台が付いた複合遊具なども設置。

善福寺川の親水護岸は、川の近くまで降りられる構造になっており、水辺を身近に感じることができます。

 

済美公園の次は、杉並区立郷土博物館へ。

 

 

途中、和田堀公園調節池の工事現場の仮囲いに描かれたトリックアートをチェック。

 

 

さらに、大宮夕日が丘広場で記念写真。

皆さん、撮影ご協力有難うございました。

 

 

杉並区立郷土博物館は、杉並区大宮1丁目にある区立博物館。

杉並の成り立ちや未来の杉並を考えるための博物館として平成元年(1989)5月に開館した施設で、常設展示では、杉並の太古から現代までの3万年の歩みを紹介。

その他に年3回程度の特別・企画展、展示の合間を利用して開催する準常設展「杉並文学館」、講座・講演会、子供博物館教室や年中行事など様々な活動が行われています。

また、敷地内には、江戸時代後期に建築された「旧井口家住宅長屋門」と古民家「旧篠崎家住宅主屋」が移築復元されています。

 

 

館内では、ちょうど「令和2年度収蔵資料展 家族で語ろう! 昔のくらしと今のくらし」が行われていて、家電の普及やそれに伴う暮らしの変化について興味深く見学しました。

 

杉並区立郷土博物館の次は、松ノ木遺跡へ。

 

 

途中、和田堀公園の片隅の広場で一回目のおやつタイム。

「石窯パン ふじみ 方南町店」で買っておいたパンをみんなで食べました。

 

 

松ノ木遺跡は、杉並区松ノ木1丁目にある、明治時代に発見された善福寺川流域の台地上に位置する旧石器時代から古墳時代にかけての杉並区内最大規模の複合遺跡。

特に縄文時代中期及び古墳時代後期を中心とした竪穴住居祉が60基以上発見され、縄文土器や石器も多数出土。

当地には方南峰遺跡で発見された古墳時代後期(6世紀頃)の住居祉をモデルとした復原住居と昭和29年(1954)に杉並区遺跡保存会によって発掘された約1400年前の古代住居跡が展示されています。

 

松ノ木遺跡の次は、和田堀公園を散策。

 

 

和田堀公園は、杉並区に所在する、昭和39年(1964)8月に開園した面積約260,502㎡(平成27年7月1日現在)の都立公園。

善福寺川に沿う形で広がっており、12の橋が跨っています。

和田堀周辺はもともと地盤が低く、蛇行する善福寺川が氾濫を繰り返し、自然に池ができるような土地でした。

そこで、昭和30年代の中頃、河川を改修して人工の池を造り、遊具や広場を整備して、公園として開園。

現在では、野球場、競技場、テニスコート、バーベキュー広場、郷土博物館などを有する公園となっており、また園内全域が東京都の防災公園として、大規模救出活動拠点に指定されています。

 

和田堀公園の次は、大宮八幡宮へ。

 

 

大宮八幡宮は、杉並区大宮2丁目に鎮座する、江戸八所八幡宮に数えられた大社。

境内は約15,000坪(23区内で、明治神宮、靖国神社に次ぐ広さ)あり、「大宮八幡社叢」として都の天然記念物に指定。

御祭神は応神天皇・仲哀天皇・神功皇后の三柱で、強くて丈夫な子供が生まれ育つという信仰から「子育て八幡さま」と称えられています。

創建は康平6年(1063)、源頼義が前九年の役の帰途、京都の石清水八幡宮から分霊して社を建てたのが起源とされ、戦を勝利に導いた頼義の故事から厄除開運の信仰も集めています。

また、広大な神域から大宮と名付けられ、武蔵国三大宮の一つ「多摩の大宮」あるいは「武蔵国八幡一之宮」として古くから崇敬されてきました。

さらに、旧境内地から弥生時代の祭祀遺跡(大宮遺跡)が発掘されたことから、この地は太古から聖域であったと推測されるようになり、近年は東京の重心「東京のへそ」という異名でも親しまれています。

 

大宮八幡宮の次は、鞍掛けの松へ。

 

 

鞍掛けの松は、杉並区大宮1丁目、大宮八幡宮の参道に面して立つ松の木。

松の名称は平安時代の武将・源義家(1039~1106)が奥州遠征の折、この松の枝に馬の鞍を掛けたという伝承に由来。

松そのものは代替わりしていますが、この伝承は江戸時代の地誌『江戸名所図会』にも紹介されています。

 

鞍掛けの松の次は、大圓寺へ。

 

 

大圓寺は、杉並区和泉3丁目にある、釈迦如来坐像を本尊として祀る泉谷山と号する曹洞宗の寺院。

創建は、寺伝によれば、慶長8年(1603)に徳川家康が開基となって赤坂溜池あたりに「大渕寺」の名で建立。

開山は諦巌和尚と伝わりますが、寛永18年(1641)正月に発生した大火で諸堂を類焼し、跡地は御用地として召し上げられ、その代地として伊皿子に寺地を拝領して移転。

その頃、寺名を「大渕寺」から「大圓寺」に改称しました。

そして、江戸で死去した薩摩藩主・島津光久の嫡子・綱久の葬儀を延宝元年(1673)に行って以来、当寺は島津家の江戸における菩提寺となり、寺内には島津家代々の位牌堂が設けられ、この頃、当寺に塔頭として「福寿院」「門能院」の二院が建立され、それぞれ大名の保科、旗本の五井・松平・本多・土方の諸家中、町人衆を檀徒として隆盛を極めました。

その後、明治41年(1908)、この二院の塔頭を併合して現在地に移転。

境内には、石像の仁王尊や寛永2年(1625)に芝浦の海中から出現したといわれる塩見地蔵尊石像、また、島津家寄進の宝筐印塔・六地蔵尊があり、墓地には益満休之助他75名の名を刻んだ「戊辰薩藩戦死者墓」並びに横山安武・八田知紀等の墓があります。

 

 

大圓寺の次は、神田川沿いをしばらくお散歩して、「そらまめ本舗」へ。

 

 

そらまめ本舗は、杉並区和泉4丁目の住宅街の中にぽつんと店を構える小さな和菓子店。

こちらで、桜餅やお団子を買って、近くにある杉並区立泉南緑地で二回目のおやつタイム。

 

続いて、東運寺へ。

 

 

東運寺は、杉並区方南2丁目にある、「釜寺」という通称で親しまれている、阿弥陀如来像を本尊とする浄土宗の寺院。

歴史は、元禄14年(1701)頃に当寺の住職であった祐梵上人筆の由緒書によると、天正元年(1573)、備前の僧・一安上人が当地に来て、安寿と厨子王の守り本尊「身代り地蔵尊」を奉じ、これに帰依した方南の大地主・鈴木伊兵衛が屋敷を寄進。

念仏堂としたのが当寺の開創と伝わり、大正11年(1922)、下谷入谷町にあった東運寺と合併し、念仏山東運寺と山号と寺号を改称。

「釜寺」の由来となった「身代り地蔵尊」には、山椒太夫に釜ゆでにされそうになった厨子王をお坊さんの姿になって助けたという言い伝えがあり、それにちなんで当寺本堂の屋根に釜を置いたといわれ、現在の大釜は戦災で本堂焼失後、当地の檀徒が寄進。

米一俵(60㎏)を炊くことができる大きさだといいます。

また、当寺には、元禄2年(1689)の刻銘のある半鐘や江戸初・中期の庚申塔や石仏などが保存されており、「鉦冠薬師」と呼ばれる木造仏も安置。

本尊は寺伝によると13代将軍・徳川家定に縁があるとされ、山門は、一関藩主であった田村右京太夫建顕の江戸屋敷脇門を移築したもので、赤穂藩主であった浅野内匠頭長矩が切腹の折に通ったと伝わります。

 

こんなふうに、あちこち案内して、方南町駅でお散歩終了。

 

ご参加くださいました皆様、誠に有難うございました。

 

それでは、次回もどうぞよろしくお願いいたします。

 

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