新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大し、東京など11都府県に2度目の緊急事態宣言が出ている中で、1月18日に通常国会が召集されました。今国会では、緊急事態宣言の根拠法である新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案などで、感染拡大防止に向けた政府の要請に従わない事業者などへの「罰則」が注目されていますが、一方で忘れてはならないのは、政府がコロナ禍に苦しむ事業者への支援策の打ち切りを画策していることです。
政府は新型コロナウイルスの影響で売り上げが大きく落ち込んだ中小事業者らを支援する「持続化給付金」と「家賃支援給付金」について、1月15日に申請の受け付けを締め切ろうとしました。これらの給付金は地元でも自営業の皆さんを中心に相談されることも多く大変助かっていると喜ばれていました。1月15日といえば、緊急事態宣言が再発令された後。宣言で国民生活に大きな制約をかけておきながら、一方で支援を打ち切るというのは過酷です。
立憲民主党など野党は以前から、申請締め切りの延長を強く求め続けてきました。政府は締め切り当日になって、申請期限を2月15日まで1カ月延長しました。野党をはじめとする国民の訴えがぎりぎりで届いたと、とりあえず安堵しています。
ただ、申請できるのは昨年の減収分のみ。政府は、今回の緊急事態宣言による減収に対応しない考えを変えていません。どうやら政府は持続化給付金などの現行制度を終了した上で、緊急事態宣言が出されている11都府県で営業時間の短縮要請の対象に指定している飲食店などに絞り、新たな支援策を用意する考えのようです。
しかし、コロナ禍で深刻な影響を受けているのは飲食店などだけではなく、広い業種に及びます。今回の緊急事態宣言が出ていない地域にも、行き詰まっている事業者さんは大勢います。それに、新しい制度を作れば、給付にかかる手続きに時間がかかり、必要な時に給付が間に合わず、手遅れになってしまう恐れがあります。
持続化給付金など使い慣れた現行制度を延長した方が、今苦しんでいる皆さんに寄り添った支援になるはずです。政府へのさらなる働きかけが必要です。「罰則」だけでなく、こうした支援策をめぐる問題にも、積極的に取り組んでいきたいと考えています。