昨日(1月18日)の朝日新聞朝刊に「シンギュラリティ」に関する議論が紹介されています。最近読み始めた「ホモ・デウス」(河出書房)でも共通の問題が論じられています。私たち人類=ホモ・サピエンスがAI時代に突入した世界でどうなってゆくのか。人間が人間以上の存在、神に近いホモ・デウスになるという仮説です。しかしホモ・デウスに変わること自体が何を意味するのか、考えさせられます。
私は中学生の頃ギリシャ神話のプロメテウスの話を父親から聞き、大きな影響を受けました。人間に知恵を授けたプロメテウスを全能の神ゼウスが叱って罰するという話です。つまりプロメテウスは人間を幸福にすると考えて火=智恵を人間に教えたのですが、ゼウスはそれが人間にとって災いをもたらすということを知っていてプロメテウスを罰したという話です。
人工知能=AIの発達がホモサピエンスにどういう影響をもたらすのか。私は囲碁の世界でAIがプロ棋士を凌駕したのを見てショックを受けました。AIがプロ棋士に勝てるのには数十年はかかると考えていたのがあっという間にAIが勝ってしまったからです。こうしたAIを中心とした発達が人類に何をもたらすのか。人間が人間を超える神に近い存在、ホモ・デウスになるという仮説にもある種の不安を感じています。
人類史の新しい課題です。