安倍政権が進めてきた原発政策の行き詰まりが決定的になってきました。

 

福島第一原発事故は溶けた核燃料が圧力容器を突き抜けて格納容器の底に達する、世界で初めてのメルトスルー事故でした。原子力ムラに支援された安倍総理は政権に戻るや否や国内では原発再稼働を強引に推し進め、国内でむつかしくなった原発建設を海外で推進する方針をこの6年間強力に進めてきました。しかし安倍政権の原子力政策はことごとく行き詰っています。

 

安倍総理は福島原発事故による汚染水は「アンダーコントロール」と発言して、東京オリンピック招致を成功させました。しかし今なお汚染水は一部太平洋に流れ出ています。国内では福島原発事故前に54基あった原発はすでに20基近くが廃炉と決まり、残りの原発も地元の反対も強く再稼働はますますむつかしくなっています。海外での原発建設では東芝、日立、三菱重工の米国、英国、トルコ、ベトナムでの建設計画が全て頓挫しました。安倍政権が力を入れた原発輸出政策は見通しを誤り、関連企業は巨額の損失を出して撤退し、完全に失敗しました。

 

安倍総理が原発に固執してきたここ数年間で、世界的には風力、太陽光など再エネの活用で近い将来必要とされる電力は原発より低コストで全て供給可能であり、電力供給を原発に頼る必要がないことがはっきりしてきました。しかし安倍政権はいまだに原発に固執し、国内でも使われていない原発用の送電線を再エネ電力に使わせないなど、再エネへの転換を妨げる政策を続けています。原発優先の推進政策を改め、再エネへの転換を強力に進めるためには邪魔をしている安倍政権の退陣が必要です。

 

立憲民主党をはじめ野党4党は原発ゼロ基本法を昨年3月9日に衆院に提出し、現在も継続審議となっています。国民民主党は党内には原発ゼロ基本法に賛同する議員が多くいるにもかかわらず、原子力ムラに関係する議員の抵抗で党としてはこの法案に賛同してくれていません。原発は再稼働させず、順次廃炉にするという原発ゼロ基本法に賛同する国民民主党の議員には、はっきりと意志表明をしてほしいと思います。次期参院選で連合系の比例候補が立憲民主党と国民民主党とに真っ二つに分かれたのは原発ゼロ基本法に対する賛否の違いから来ています。連合幹部からは「統一名簿」を求める声が出ていますが、原発ゼロを主張する候補と、原発を実質上容認する候補を同じ名簿に載せるのは有権者に対する裏切り行為になるので、できません。

 

与党である自民、公明両党は1年近く原発ゼロ基本法の審議を拒否し続けています。原発ゼロ基本法に反対すれば国民の反発を受けるので、審議をさせないまま眠らせておこうというのが自民、公明両党の作戦です。原発ゼロ基本法の審議を拒否しているのが自民、公明党であることを広く国民の皆様に知っていただきたいと思います。そしてこの法案に賛同していただける方には両党議員に審議を始めるよう地元からの働きかけをお願いします。