経産省はFITに基づく事業用太陽光発電の買取価格を2019年は14円/kwhに引き下げると発表しました。太陽光パネルなど設備費が下がるのに合わせて買取価格を下げるのはFIT制度としては当然予定されていることです。しかし電力会社が消費者に売っている電気料金は東電の場合で32円/kwh程度です。そうすると電力会社は14円/kwhで買った電気を32円/kwhで売っていることになるのか、これが適正なのか少し疑問です。近く経産省に聞いてみたいと思います。

 

いずれにしても太陽光発電のコストは下がり続けており、南向きの屋根のある家庭では自家発電で大部分の電力は自給可能です。問題は発電できない夜間などの電気をどうするかです。ドイツではバーチャル発電所がスタートしています。つまり昼間発電し余った電気を契約した多数の電気自動車の電池に充電しておき、必要な時にその電池から電気を供給するネットワーク・システムです。

 

日本の場合、東電、関電、東北電力など九つの電力会社がいまだに送電線を独占しており、風力や太陽光による再エネ発電の拡大を妨害しています。北海道のブラックアウトも北電が本州との間の送電線の増強を怠ったことが一つの原因です。ドイツやスペインでは送電網は発電会社から完全に切り離された送電会社が所有し、運営しています。日本でも経産省は2020年に発送電分離を行うと言っていますが、動きは鈍いのが現状です。原発事故にかかわる費用を「託送料」という形で送電網を利用するところに負担させようとしているからです。原発事故にかかわる費用を再エネ発電業者に負担させるのは筋違いです。