私自身を含め、戦後の団塊世代が成人してほぼ50年なります。50年前にも社会的問題はいろいろありました。特に団塊の世代は戦後ベビーブームで年間200万人を超える子供が生まれて成長した時代で、私の通った山口県宇部市の神原中学は私の学年が18クラスで一クラス58名、一年生だけで千名を超え、全校生徒3千名を超すマンモス校でした。その頃はまさか50年後の子供の年間出生数が半分以下になるなど誰も予想できませんでした。
50年後の日本と世界の姿を予想することは至難ですが、考える必要はあります。今日の毎日新聞朝刊では「N高」という一斉授業を前提としないネットの高校が紹介されていました。日本では人口減少が続きながら東京など大都市への人口集中はいまだに続いていますが、地方都市や田舎における人口減少が子供の減少に拍車をかけているようにも思えます。
新たな社会像が藻谷浩介氏などから提案されています。私もお遍路で四国を歩いて一周しましたが、こうした地域で若い人が新しい仕事のモデルを生み出し、子供をたくさん産んで育てられるような社会像が必要だと感じています。
昨年のゴールデンウィークには起業家のムラとして知られる岡山県の北東の端の人口1500人の西粟倉村に出かけました。廃校となった小学校がベンチャー企業の拠点になっていました。ネット社会では情報の共有には必ずしも大勢の人が集まる必要はありません。Ⅰターンで西粟倉村で起業した青年に田舎で仕事をするための条件として、①収入が都市と同じ水準であること、②情報、交通など便利さが確保されていること、の二点を挙げてくれました。この条件が満たされるなら子育てには田舎のほうが望ましいとも言っていました。日本の将来モデルをお互いに考えようではありませんか。