来年は本格的な原発ゼロ方針を政治的にも決断する年になる予感がします。

 

12月27日付の日経新聞は「原子力79施設、廃止1.9兆円、処分場など課題山積」という記事を掲載しています。事故を起こした原発だけでなく多くの原子力施設が維持できず、安全性に問題があり、廃止を決めた施設の廃止に何兆円という莫大な費用と何十年もの長い時間がかかることが報じられています。また日立が採算に合わないという理由でイギリスでの原発建設断念。福島原発事故についての東電幹部の刑事責任を問う裁判の様子も連日報道されています。

 

他方で国内外での風力や太陽光など再生可能エネルギーへの投資に拍車がかかかり、原発ゼロでも電力不足は起こらず、しかも再エネでは海外から化石燃料に依存する必要もないことが国民に広く理解され始めました。

 

いよいよ政治が原発ゼロを決断すべき時です。ドイツのメルケル首相は福島原発事故から半年もたたない時点で「2022年原発ゼロ」を決断しました。私も総理の時に福島原発事故に直面し、原発はやめるべきだと確信しました。そして総理在任中それまでの原発比率を50%とするエネルギー基本計画を白紙に戻し、浜岡原発の停止を要請するなど原発ゼロへかじを切り始めました。そして総理を退任してからも「原発ゼロは私の使命」と考えて活動してきました。

 

残念ながら自民党安倍政権に戻ってから。原子力ムラの影響力により原発継続の政策が進められてきました。しかし多くの原発には安全性に問題があり、再エネに比べてエネルギー源としては採算に合わず、廃炉に膨大な費用がかかることがこの数年で誰の目にも明らかになりました。

 

来年は参院選挙の年です。原発をいまだに促進しようとしている政党は自民党で、公明党も同調しています。国民民主党は党内に電力総連出身議員など原子力ムラの影響下にある議員を抱え、原発ゼロ基本法に賛同していません。経済界を含め日本社会の大勢は原発から再エネへの転換をめざしています。自民党内でも小泉元総理をはじめ原発ゼロ派はたくさんいますが、原子力ムラの影響下にある安倍政権の下では大きな声になりません。来年は安倍政権の原発維持政策について是か非かを参院選で問い、立憲民主党をはじめ原発ゼロ政党が議席を伸ばし、安倍政権を倒すことで同時に原発ゼロ政策に転換させる年にしようではありませんか。