福島第一原発事故の刑事責任を問う裁判で3人の被告人に対する質問が続いています。今日10月19日は武黒元副社長への質問があり、「2008年に最大15.7メートルの津波が来襲する可能性」の報告を聞いていたかと問われ、「その記憶はない」と答えたと報道されています。

 

武黒氏は東日本大震災の際、官邸に派遣され、東電との連絡役を担った人です。私が海水注入を止めたという安倍総理のメルマガや読売新聞の虚偽報道(フェイクニュース)の原因になった人でもあります。今日の読売新聞夕刊では「国会事故調査委員会の報告書によると武黒被告は震災2日目、福島第一原発側が原子炉を冷却するために行っていた海水注入を中断するよう、独断で指示」と記述しています。読売新聞は、2011年5月21日の朝刊一面トップで「首相意向で海水注入中断」と報道したのがフェイクニュースであったことをようやく認めたようです。

 

この東電刑事裁判では被告人以外の多くの関係者から、極めて重要な証言がすでになされています。福島原発事故による被害の真実の姿を知る上での貴重な証言も数多く含まれています。刑事訴訟を支援している海渡雄一弁護士が彩流社から最近出版された「東電刑事裁判で明らかになったこと」の中に重要な証言が多く紹介されています。福島原発事故に関心をお持ちの方には読まれることをお勧めします。