国民民主党は代表選で玉木代表が再選され、再スタートを切りました。しかし国民民主党は「立党の原点が存在しない」という気の毒な立場に変わりありません。

 

つまり、もともと小池都知事が立ち上げた希望の党に、前原民進党代表が合流しようとしたところから始まった新党運動ですが、総選挙での惨敗を受けて党首であった小池都知事自身が希望の党から身を引いたため、希望の党は立党の原点を喪失しました。そして希望の党と民進党が合併し、名称を「国民民主党」に変えましたが、立党の原点が存在しない状態はそのままです。つまり国民民主党は、希望の党で当選した衆議院議員と民進党時代に当選した参議院議員を合わせて、相当数の国会議員を擁しており、国会では野党第二党となっていますが、立党の原点が存在せず、国民から見てどんな政党なのかイメージがはっきりしません。

 

自民党に対抗するためには野党の結集が必要なことは私も十分理解しています。しかし、原発政策など主要な政策理念が一致していないまま結集すれば政策があいまいとなり、国民の支持は得られません。原発政策以外では立憲民主党と国民民主党との間に大きな政策的相違はありません。原発政策では、立憲民主党を中心に野党4党で共同提案した「原発ゼロ基本法」の共同提案者に国民民主党はなりませんでした。国民民主党の議員の中にも「原発ゼロ基本法」に賛成の議員が多数いることを私は知っています。しかし、電力総連など原発容認労組出身議員の反対で提案者になれなかったのです。

 

現在国民民主党に所属している国会議員の多くは、自ら決断して国民民主党の結成に参加したのではなく、前原代表はじめ多くの仲間が希望の党に合流し、次いで希望の党と民進党が合併したために気がついてみたら国民民主党所属になっていた人が大半です。いったん立ち止まって考える時です。グループ単位ではなく、個々の政治家が最も政策理念的に近い政党に個人の責任で参加することこそが、国民に理解を得られる野党結集になると確信するからです。