通常国会が終わりました。「私や妻がかかわっていたら総理だけでなく国会議員も辞める」という発言からすれば、とっくに辞めていなければならないはずの安倍総理が平然と居直り、今なお自民党の総裁三選が有力視されています。このまま進めまどうなるのでしょうか。

 

一つ目の山はやはり総裁選です。河野太郎外務大臣を小泉進次郎議員が担いで総裁選に臨むといった予想外の展開も過去には例があります。例えば田中真紀子氏が「自民党をぶっ壊す」と言った反田中派の小泉純一郎氏を担いで総裁に当選させた例です。

 

二つ目の山は安倍総理が三選されたとして、来年の参院選が大きな山になります。2007年の参院選では不人気な自民党が大敗し、衆参ねじれが生じ、2009年の政権交代につながりました。そうなるためには多くの国民が、飽きのきている安倍政権から野党に政権を代わってほしいと思う状況を作り出せるかどうかです。一昨日の枝野立憲民主党代表の安倍内閣不信任案の趣旨説明がまさにその一歩だと思います。

 

安倍政権は虚偽のニュースを正しいと思わせるフェイク政権です。安倍総理はアベノミクスで経済成長と財政再建を両方実現すると公約し、政権を担当してから5年半が経過しました。しかし個人消費の低迷から経済成長は全く進まず、財政再建は目標期限の先送りの連続です。それでもうまくいっているという虚偽の「フェイクニュース」を安倍総理は流し続けて、国民をだまし続けています。一昨日の枝野演説は安倍政権の経済政策の失敗を冷静に証明しています。

 

民主党政権の悪口だけで人気を維持してきた安倍政権が、5年半経過しても経済成長と財政再建という公約を全く実現できていないことを国民の多くも気がつき始めています。

 

それに加えて原発政策です。福島原発事故以後、世界が脱原発、再生可能エネルギー促進に大きく舵を切っているのに、安倍政権はいまだに原子力ムラに目先の利益を与えようと原発再稼働を強引に進めています。せっかく福島原発事故の直後に民主党政権で再生可能エネルギー拡大のための固定価格買い取り制度(FIT)を導入したにもかかわらず、安倍政権になってから再エネ拡大を妨害しています。そのため再エネ技術は日本が最も得意な分野であったのに、安倍政権になって以降、世界で大きく遅れてしまいました。

 

来年の参院選では安倍政権の6年間を総括し、その間違いをただし、政権交代の第一歩となる選挙にしなくてはなりません。