西日本を中心とした豪雨災害に対する安倍総理の初動が問題視されています。3・11の東日本大震災とそれに伴う福島原発事故発生の時、総理であった私は原発事故に関する正確な情報が東電本店から入らないため、事故発生翌日の3月12日早朝に現場である福島第一原発に班目原子力安全委員長を伴ってヘリで飛び、吉田所長から直接正確な情報の報告を受け、続いて福島、宮城などの上空から津波被害の状況を自分の目で確認しました。

 

この時、総理が官邸を離れて現場に行ったことに対して自民党から強い批判が出ました。しかし私は今でも現場責任者から直接原発事故状況の正確な情報を得たことはその後の避難指示などに極めて役立ち、また自衛隊の早急な最大限の出動にとっても役立ったと考えています。当時安倍総理はすでに総理経験者であったにもかかわらず、私が3月12日に原子炉に対する海水注入を止めたという「嘘」の情報=フェイクニュースを自らのメルマガで流し、読売と産経新聞が追従して大々的に嘘の情報を報道し、それを理由に安倍議員は内閣不信任案を出すように自民党内でも強く主張しました。国難に超党派で対処する姿勢を当時の自民党首脳の多くは示してくれていましたが、その中ですべてを政局に利用するというのが安倍議員の一貫した行動原理でした。

 

今回の豪雨災害では7月5日の14時に気象庁が厳重な警戒を呼び掛けていたにもかかわらず、安倍総理はその夜「赤坂自民亭」で懇親会を開いていたことが、西村官房副長官のツイッターで広く知られることになりました。9月の自民党総裁選を意識しての懇親会です。ここにも安倍総理の危機管理よりも政局を優先する姿勢がよく表れています。

 

9月の自民党総裁選では、全てを政局優先で判断する安倍総裁を3選させるのかどうか、自民党の良識が問われます。