財務省の資料改ざん問題が収まらない中で、自衛隊のイラク派遣時の日報の隠ぺいというシビリアン・コントロールの原則が無視されていたという重大な事案が発覚しました。

 

シビリアン・コントロールは戦前、軍部が「統帥権の独立」という憲法解釈に基づき、内閣や国会による政治のコントロールから離れて独自の判断で行動したことに対する反省から、現行憲法下では極めて重視されてきた原則です。歴代防衛大臣そして総理大臣が海外に派遣された自衛隊の活動を把握していなかったとすれば、その責任は重大です。まさに内閣としての責任が問われます。

 

他方、野党では民進党と希望の党による「新党」への合流協議が始まるということです。背景には来年の参院選に向けて従来比例区に候補者を擁立してきた連合が、旧民進党グループの合流を促しているという背景があります。

 

しかし連合の参院選準備の都合にだけ目を向けて「新党協議」を進めることが、広く国民に理解されるでしょうか。国民の関心が高い「原発ゼロ政策」、「格差是正」、「安倍総理の進める憲法改正問題」などに対する政治姿勢がはっきりすることがまず必要です。立憲民主党は先の総選挙の時にそうした基本政策を公約に掲げて戦い、大きな支持をいただきました。枝野代表は立憲民主党の政策理念に賛同する人の立憲民主党への参加は歓迎するという姿勢で一貫しています。

 

混迷する政治状況であるからこそ、立憲民主党は枝野代表のスタンスを大切にして筋を通すべきと考えています。