世界的にフェイクニュースが大きな問題となっています。アメリカ大統領選におけるトランプ陣営のクリントン候補に対するフェイクニュース攻撃が大きな注目を浴び、今日までロシアの関与など完全には解明されていません。

 

日本では私自身のことで恐縮ですが、2011年5月20日付の現総理大臣である安倍晋三氏のメルマガにおけるフェイクニュースが、近年ではその後の政局に大きな影響を与えたフェイクニュースだと思います。

 

安倍総理は2011年5月20日付の自らのメルマガで「3月12日、いったん開始された原発への海水注入を菅総理が止め、事故が拡大した」と発信し、翌日読売と産経新聞が大きく取り上げました。そして、それを理由に安倍氏は不信任案を自民党が出すように働きかけ、実際に2011年6月2日、私に対する内閣不信任案が提出されました。しかし、東電は同年5月26日には海水注入は継続されていたことを発表しました。

 

このようなフェイクニュースの怖さは発信された直後に間違った事実が真実の様に広く多くの人に拡散され、多くの人がそれを信じることによる影響です。当時も読売、産経の「菅総理が海水注入を止めた」という一面の大きな記事と安倍現総理のメルマガと同趣旨のコメント記事により、多くの人はそれを信じたのです。

 

安倍総理はフェイクニュースを流すことで当時の民主党菅政権の打倒を企てたのです。不信任案は不発に終わりましたが、安倍総理はいまだに「菅総理が海水注入を止め、事故が拡大した」というフェイクニュースを自らのメルマガで拡散したことを謝罪していません。安倍現総理はフェイクニュースを駆使して、民主党政権を攻撃し、その功績で自らの復権を図ったのです。

 

その一方で、森友問題ではだれの目から見ても安倍総理と昭恵夫人が関与していたことは明らかなのに、安倍総理はそのことを主張するマスコミ報道を「フェイク」と決めつけて居直ろうとしています。他人のことを「フェイク」と決めつける前に、まず2011年5月20日の自らのメルマガが「フェイク」でないというのなら、そのことを証明すべきです。

 

最近の予算委員会の私の質問に対しも東電の現社長は海水注入は継続されていたと証言していますからそれは不可能でしょう。安倍総理を二重の意味で「フェイク総理」と私が決めつけることにもし反論があるならば、安倍総理から直接反論を聞きたいところです。