昨年の総選挙からの動きの中で、60代、70代の世代が元気になったように感じます。枝野立憲民主党代表のような50代世代の政治家が表舞台に出てくる中で、その応援団の中心にSNSを駆使する若い世代に加えて、60年安保世代、70年全共闘世代など60代、70代のOB世代の動きが目立つからです。

 

特に原発ゼロの運動にはイデオロギーを超えた60代、70代世代がいよいよ活発に動き始めています。その背景には原発問題が現役世代の問題である以上に子供や孫たち将来世代の問題だという認識が強いからだと思います。経済界も、労働界も、政権与党で権力を掌握している人達も多くは、長い目で考えているようで実は自分が現在のポストに在任しているであろう数年間の目先のことしか考えていないからです。その典型が安倍総理です。

 

安倍総理は自らの政治の師として必ず小泉元総理の名をを挙げます。しかし、小泉元総理が福島原発事故の後、核廃棄物施設オンカロなどの視察を通して原発ゼロの必要性を痛感し、行動していることについては全く共感を示しません。政権を維持するためには原子力ムラという目先の利益を重視する集団を敵に回したくない、そして子や孫の世代のことよりも自分の生きる時代のことだけを考えているからです。

 

昨年分裂した民進党をめぐり、外からは分かりにくい動きが続いています。この背景にも原発ゼロをめぐる立場の相違が大きく影響しています。つまり従来「2030年代原発ゼロ」を公約していた民進党は、原発再稼働など2030年代までは認めるべきとする電力総連など原子力ムラにかかわる勢力が今なお主流を占めています。希望の党も安保法制については「脱小池路線」を強め、分党も視野に入れているようですが、小池氏が結党時に公約した原発ゼロ路線についてはその路線を守るかどうかで意見が分かれているようです。

 

立憲民主党は総選挙で「一日も早い原発ゼロの実現」を公約に掲げ、今年の3・11までには原発ゼロ基本法を国会に提出することを決めています。これから一年、小泉元総理が中心となっている「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連)など幅広い国民運動と連携し、国会では立憲民主党など原発ゼロ基本法の審議を通して原発ゼロの機運を高めてゆきます。そして来年の参院選では原発ゼロを最大の争点にし、原発ゼロ実現に決着をつける年にしたいと思います。