特別国会は冒頭から大荒れになりそうです。それは政府・与党が野党の質問時間を大幅に削減しようとしているからです。議院内閣制の日本では、予算案はもちろんのこと、法案の大半が政府から提出されます。与党は政府提出案については提出までに官僚の説明を受け、党内で議論し、与党内で了解された案件だけが閣議決定されて、国会に提出されることになっています。つまり与党は政府提案が出される前にその中身を議論して了承しているので、国会の採決では原則として賛成するのです。そこで国会での質疑は政府提出の予算や法案について、野党から質問を受けるのが中心になっているのです。アメリカのような大統領制の国とは基本的に異なっています。

 

自民党が野党の時代も、野党の質問時間は現在と同様野党に多く割り振られていました。それをなぜ今、自民党は野党の質問時間を大幅に削減しようとしているのでしょうか。その理由は安倍総理が野党による森友、加計問題などの追及に精神的に耐えられないからです。野党の追及を抑え込むため以外には理由は考えられません。

 

私が総理の時にも当時の野党の自民党議員からは厳しい質問が多くありました。しかし、発言時間を制限して口を封じるといったことは考えもしませんでした。国会審議に耐えられない総理に、日本の総理を務める資格はありません。