来月18日に退任する田中俊一原子力規制委員長のインタビューが今日の朝日新聞に掲載されている。その中で田中委員長は原発再稼働審査について「政治的圧力が常にあった」と述べ、さらに具体的に次のように述べている。

 

「この間、原発を推進する自民党議員だけでなく、電力労組出身の民進党議員らが『審査に時間がかかりすぎている』と批判を繰り返した。」

 

 私も衆院原子力特別委員会で自民党議員の大半がそうした発言を繰り返しているのを聞いている。しかし民進党の電力労組出身の議員は参議院のため、直接そうした発言を聞く機会はなかったが、本当だとすれば民進党の方針にも反する発言で問題だ。民進党は事故の時の避難計画がしっかりできていない原発について、再稼働すべきでないというのが党の方針。私を含め多くの民進党議員は責任ある避難計画ができていないことを問題にしてきた。それを、責任ある避難計画ができていないのに、再稼働について「審査に時間がかかりすぎている」と電力出身議員が発言したとしたら、党の方針に反する。

 
 民主党代表選でも電力労組出身の議員が前原候補の推薦人になっている。私は前原候補自身は民進党の方針は分かっているはずだが、推薦人には再稼働推進の議員が含まれており、再稼働推進に引っ張られることを心配している。再稼働しないで順次廃炉にするということを明確にできなければ原発ゼロを望んでいる多くの国民の信頼は得られない。