現在我が家は95歳の私の母と、妻の3人で生活している。母は介護保険のおかげで、デイケアのサービスを受けている。特に入浴は自宅の浴室ではむつかしく、デイケアでお世話になっている。老人を抱える多くの家で、介護保険制度がなくてはとても面倒が見られなかったという意見をよく聞く。

 
 介護保険制度を導入したのは私が厚生大臣であった自社さ政権の時だ。自民党には介護は家族の仕事とする古い考えが強く、大物政治家の反対もあったが、介護の社会化という観点から推し進め、介護保険法を提出。私の後を引き継いだ小泉厚生大臣の時に成立した。私が厚生大臣の時に誕生した民主党は介護保険法の成立に努力した。
 
 私が介護について強く影響を受けたのは、岩波新書「体験ルポ世界の高齢者福祉」という本。著者は現在民進党の国対委員長を務める山の井衆議院議員だ。民進党には社会保障関係を含め、政策に強い議員が多い。
 
 安倍総理は民主党政権時代の悪口を口汚く言う事で、安倍政権の政策が成功しているかのような「印象操作」をしてきた。しかし、第二次安倍政権は、民主党政権の3年半より長い4年半たっても、公約したデフレ解消も、経済成長もできていない。失業率は低いが賃金は上がらず、長時間労働は改善されていない。自民党も含めて3党で合意した社会保障と税の一体改革も安倍総理が約束を守らず、社会保障の改善の費用が不足して進んでいない。
 
  福島原発事故対応でも安倍総理は民主党政権時代、事故対応に協力するどころか「海水注入を菅総理が止めた」という虚偽情報を自らのメルマガで流し、それを理由に菅総理の退陣を求め、事故発生から3か月しか経過していない事故対応に忙殺されているときに、内閣不信任案の提出を主導するなど徹底的に邪魔をしてきた。原発事故を民主党政権打倒の政局に徹底的に利用したのが安倍総理だ。
 
 事故から6年、時間の経過とともにそうした当時安倍総理が言ったことのウソが次第に国民に伝わっているが、しかしまだまだ安倍総理のまき散らしたウソの情報を信じている人も多い。安倍総理の「機関紙」である読売新聞と産経新聞が、当時、安倍総理のウソをそのまま大々的に報道した影響が残っているからだ。原子力ムラの言うことを事故当時も今も最も素直に聞く政治家、原子力ムラの優等生が安倍総理の真の姿だ。
 
 原発を建設したのは安倍一次政権を含めすべて自民党政権の時代。事故を起こした原発の製造者責任は政治的には自民党に最も大きな責任があることは明らか。それを事故が起きた時の民主党の責任であるかのような「印象操作」をしたのが安倍総理。「印象操作」の天才だ。それもいよいよ馬脚が現れ、安倍政権は年内には退陣に追い込まれるだろう。
 
 次期国政選挙では、原発推進政策を最初から福島原発事故後も取り続けている自民党と真正面から対決できる民進党であってほしいと心から思っている。