今日の朝日新聞朝刊の「平成と天皇」首相経験者に聞く3⃣に私の談話が紹介された。今上天皇は新憲法の下で即位された最初の天皇として、象徴天皇としてのあるべき姿を考え抜かれながら、強い使命感で務めを果たしてこられた、という私の認識を含めて紹介されている。ご一読いただければ幸いです。

 

 支持率急落による安倍政権の不安定化、民進党のあいまいな政治姿勢に対する国民の支持離れ、連合の労働時間規制をめぐる迷走など、政局は急激に流動化している。今年中に大きな変化が起こることは間違いない。

 

 労働政策に関しては、民進党は労働者の最大組織である連合の意見を十分に聞き、協議し、協力して政策実現を目指すことは当然だ。労働時間規制はまさにその中心的課題だ。

 

 しかし、原発政策は電力関係の労働者にかかわる政策という以上に、原発事故や核廃棄物の影響を受ける現在および将来世代に及ぶ国民全体の課題だ。必ずしも連合の電力関係労組の意見が国民全体の利益と言えないことも多い。それはかつて、水俣病など工場公害について、公害を出している会社の労組も多くあって、公害反対運動に労働運動が対応できず、市民運動が中心となって反対運動を起こしたことを想起させる。

 

 そうした点で、原発政策に関しては特に連合の原発関連労組の意見に偏ることなく、有識者を含め、国民全体の意見を聞き、それを尊重すべきだ。そして国民の過半数は原発を稼働させなくても電力不足が起きないのなら、再稼働させずに原発ゼロに向かうべきと考えていることは各種世論調査からも明らかだ。

 

 自民党安倍政権はこうした国民の声を無視して原発回帰政策を進めている。原子力ムラに安倍政権が支配されているからだ。小泉元総理は自民党総理経験者でありながら真正面から安倍政権の原発維持、推進政策に反対している。民進党のとるべき立場は明らかだ。この問題でこそ、小泉元総理と同じ立場、つまり国民の大多数の声を尊重して、原発は再稼働させないで順次廃炉するという方針を明確にすべきだ。

 

 民進党は次の国政選挙でこうした政策を明確にしなければ、1997年当時、野党第一党だった新進党の如くバラバラになって、他党に吸収されるなど消滅する運命だ。