自民党が政権に戻ってから4年、自民党への企業献金が急増している。古い話だが1974年の参院選全国区で2位と3位で当選した市川房枝さんと青島さんが経団連に乗り込み、土光経団連会長に経団連が自民党への献金を企業に要請するのはやめるべきだと申し入れた。当時田中内閣の時代で特に金権政治が問題とされていた。土光会長は「分かった。経団連による企業献金のあっせんはやめる」と言って実行した。

 

法人税など企業にとって政権の政策は極めて大きな影響がある。しかし、消費税は上げるが法人税は下げるといったことが企業献金によって左右されるとすればやはり問題だ。政策が企業献金によりゆがめられないようにという趣旨で政党助成金ができたのだ。

 

アメリカでは民主党の大統領予備選で健闘したサンダース氏が「アメリカの政治は富裕層の金で買われている」と糾弾している。つまり貧困層や中間層から集めた税金の多くが富裕層の利益になるような形で使われているという指摘だ。

 

日本でもかつては高額所得者は高い累進課税によって多くの税金を負担していた。しかし最近は富裕層の実質税率は低下し続けており、経済格差が広がる原因になっている。近年の自民党への企業献金が急増している背景には、企業の利益を優先する政策を自民党に実行させようとする露骨な意志がある。