9月16日に収録された読売テレビの「そこまで言って委員会」が9月18日関西地域で放送された。私も出演し、福島原発事故などに関して 聞かれたことについては明確に当時の事実関係を説明した。見た人からは当時のことについて誤解している人が多く、本人からしっかりと反論が聞けて良かった、という意見をもらった。



  この番組は東京では放送されていない。しかしネットで見ることはできるので関心のある人はぜひ見てもらいたい。



  問われたのは、なぜ当時正確な情報が総理のところに上がってこなかったかといった点が中心となった。私からは三種類の事例があったと答えた。



 第一の事例は福島原発の東電の現地の対策本部自体が判断を間違っていた事例。例えば事故発生当日の午後10時ごろまで1号機は燃料棒の上まで水があるという報告が吉田所長から政府に届いていたが、これは水位計が正常に機能していなかったことに気が付かず、間違った情報を伝えたものであったことが現在ではわかっている。実際には午後6時ごろには水位は燃料棒の頂部まで下がり、メルトダウンが始まっていたことが今では分かっている。



  第二の事例は現場は分かっていたが本店経由では正確に情報が伝わらなかった事例である。具体的には1号機のベントが始まらない理由を東電本店から来ていた武黒フェローに聞いたが「分かりません」と答えた。12日早朝、現地に行って吉田所長に聞いたところ、電源が途絶していたため、手動でベントを行おうとしたが、放射線量が高くて、長時間の作業ができずに、難航したと明確に理由を説明してくれた。



 第三の事例は本店が自分に都合の悪い情報を隠した事例だ。例えば本店と福島第一の間のテレビ会議の記録も、事故発生からの最初の24時間など都合の悪いところは今も東電は公開していない。会長も社長も不在で、大混乱していたと推測されるが、その部分は今も東電が隠したままだ。



  政府が隠していたように誤解されていた点を、はっきりと説明できてよかった。



なお、放送エリア外の方や見逃した方は、9月25日(日) 13:29までは、下記から無料配信映像を視聴できる。



テーマ:原発政策】 約20分間


番組まるごと配信】 約73分間