キャメロン首相は党内のEU離脱派を政治的に抑え込むために国民投票を利用して、大失敗を犯した。安倍首相は日銀と年金資金を利用して景気回復を実現しようとし、失敗。日銀が国債の大部分を引き受けるやり方も、年金資金による人為的株価引き上げも、持続可能ではないことは明らか。アベノミクスの失敗を「道半ば」と覆い隠すが、安倍政権は3年半経過して総裁任期の残り2年半、日銀と年金資金頼りのアベノミクス政策を続ければ取り返しのつかない財政・金融破綻を招く恐れが大きい。

 自民党の良識派とみなされる人と話すと、危機感は持っている。しかし安倍首相に異論をはさまず、沈黙を続けている。異論を唱えて、小選挙区で公認を外されることを恐れているからだ。小選挙区制の予想しなかった副作用だ。それにしても長年政権の座にいた天下の自民党も、目先の選挙しか考えない無責任政党になったものだ。

  安倍首相が野党との党首討論を逃げるのも、イギリスのEU離脱による円高、株安がどのようにアベノミクスに影響するか、まともに答えられないからだ。