世界秩序が大きく乱れ始めた。戦後連合国は国連を生み出し、ヨーロッパはEUを生み出した。ソ連崩壊後もEUは拡大を続けた。そのEUの中心的な国の一つであるイギリスが、難民問題など極めて内向きで感情的な理由でEUからの離脱を決定したことは大きなショックだ。 

  世界中が内向きになり、「リベラル」であることより「過激」を求める風潮が世界を覆っている。リベラルであるには孤独に耐える個人的な強さが必要だ。過激な言動をするリーダーに同調するのは孤独を恐れる群衆と、名著『孤独な群衆』でリースマンが分析している。1930年代の世界に戻りつつあるような危機感を覚える。